前回のタイヤ交換のインプレで峠のタイムが速くなったのは別の機材の効果であると触れた。
それは、スプロケ(後輪側の多段ギア)を13-26Tから11-28T(8s)に変更したのである。
これまで13-26Tを使ってきたのは、自分のロードバイクに使われているコンポーネントがシマノ2300という古い物で、リアディレーラーのスペックが最大26Tという制限があったからである。
まあ、ひと昔のロードバイクではローギアが21Tという設定も珍しくなく、26Tが坂道用で良かった時代もあったので、13-26Tで十分と強がっていたのだが、実際は重いなーというのが本音だった。
また、ハイ側も11Tなんて重くて使えない、13Tの方が段数が少ない8速ではクロスレシオになって有利とかいっていたが、これもある意味強がりだった。実際は、坂の下りで思いっきり飛ばしたいときには不足を感じ、人並みの最高速を記録するには11Tがやっぱり欲しいなどと思っていた。
ということで、CS-HG50-8の11-28Tを購入したのだが、問題はリアディレーラーである。
RD-2300のままでは28Tには変速出来ない筈で、対応するディレーラーに交換が必要なのだが、結論を先にいうと2300のままで使えてしまった。
最初からアジャスターを沢山回した状態とか、エンドキャップがプラスチックとか、プロからすれば突っ込みどころが多い写真なのであまりアップにしたくないが、一応RD-2300で28Tに変速成功の証拠写真である。
※歯数が数えられないが、CS-HG50-8の12-25Tや13-26Tは軽量化の丸穴が無いので、これは正真正銘の11-28Tの写真である。
結果としてディレーラーを交換せず使えてしまったが、最初はもちろん別のディレーラーに交換する予定だった。
交換するディレーラーは8速であれば、現行のクラリス、RD-R2000にするのが普通である。
だが、色が黒っぽいメタリックで気に入らない。一つ前の2400でもやはり濃いめのグレーで気に入らない。自分は明るいシルバーが良いのだ。
とはいえ、昨今の流行ではシルバーの自転車パーツは殆どなくなり選びようがない。妥協して一つ前の世代のティアグラRD-4600が真ん中がシルバーのポリッシュで両端が2400と同じグレーのカラーリングである。
古いRD-4500だと全体がシルバーなのだが、今度は28Tに対応しない。
ティアグラは10速用である。8速なのに10速のディレーラーが使えるのか?
これは、実は互換性があって使えてしまうのである。逆にクラリスを10速で使う事も可能だ。段数のコントロールはSTIレバー側が決めていて、ワイヤーの引き量に対しディレーラーの左右の移動量が8~10速用では共通なので使えてしまうのだ。
ただ、RD-4600もあまり面白くない選択である。見た目の違いだけで、同世代の2400と性能的違いがないのだ。
どうせ変えるなら性能的に上の物が良い。
上位の105、RD-5700なら性能も多少良くなり、ある程度の軽量化が狙える。5700は10速時代の105である。ただし、これも見た目はあまり好みではない。シルバーモデルもあるが、本体はシルバーでもケージ部分は黒である。古い5600なら全体がシルバーポリッシュであるが、これも28Tには対応しない。また、何れにしろ現行品ではないので中古になるが、5700のシルバーは玉数が少なく高価である。
どうも決め手に欠けるなと思っていたところ、11速用のRD-5800やRD-R8000が8速用のスプロケに使えたという情報が入ってきた。
本来11速用は、8速用とはワイヤーの引き量が違い互換性がないというのが定説である。※10速用でも現行のRD-4700は11速と共通のワイヤー引き量を採用していて、旧10速や8速とは互換性がない。
しかしながら、実際に使えてしまったという話で、これは面白い。
何故なら、何れコンポを変えるなら最高の11速にしたいというのが本音で、10速の105を高い値段で買っても無駄になってしまう。11速の105が使えるのであれば、コンポ全体をグレードアップした時に無駄にならない。
という事で11速の105、RD-5800のシルバーを安く入手した。
左2300が273.9g、右5800が226.7gである。その差47.2g、これは決して小さくない差である。これまで何度も云っているが、自分のロードバイクは安物なので相当な重量級で、少しずつでも軽量化したいのである。
だが、結局このRD-5800はやはり使えなかったorz
相場より相当安く入手したのだが、程度が悪くケージは傷だらけ、プーリーも摩耗が酷く、その所為かいくら調整しても1段目と2段目が上手く変速せず飛び越えて3段目に飛んでしまう。3段目から2段目もダメで1段目に飛んでしまうのだ。
新品か新品同様であれば、噂通り機能したのかもしれないが、定説通りの結果となってしまった。
てなわけで最初の話に戻るが、ダメもとで元のRD-2300で試してみたら使えたという訳である。
ただし、スペック外であるのは間違いなく、何もしないで上手くいくとは限らない。
自分の場合は、上の写真の赤丸内のBテンションボルトという調整ネジを最初一杯に締め込んでから、様子を見ながら徐々に緩めた。
Bテンションボルトは上側のプーリーとスプロケとの間隔を調整するネジで、いっぱいに締めるとプーリーが下がって間隔が広がるので、スプロケの大きさが多少スペックより大きくても対応できるだろうと、考えたのである。
ただし、プーリーとスプロケの間隔を広げすぎると変速レスポンスが悪くなるといわれていて、ある程度ネジを戻して適当な間隔に調整する必要がある。
自分的にはこれが効いたと思っているが、同じ2300でも28Tは使えなかったという人がいるのも、やはり現実である。
だから、自分が出来たからといって、必ず出来ると保証する物ではない。
自分も5800が使えなかったが、あくまで自己責任で、使えたといっている人を責めるわけにはいかない。
そんな感じでディレーラーの軽量化は叶わなかったが、スプロケの方は左11-28Tが254.0g、右13-26Tは332.3gである。直径が大きくなっているに関らず11-28Tの方が78.3gも軽い。
これは同じ型番のシリーズであるが、11-28Tの方は基本設計が改められていて、歯のそれぞれに穴が開けられるなどの軽量化策が取られているからである。
ディレーラーも軽くなっていれば100g以上の軽量化になったが、これでもまあまあといえよう。
スプロケを11-28Tに交換してから今日まで750㎞以上を走っているが、変速には何の問題もなく使えている。登りのタイムは明らかに向上した。下りも足を回してもスカスカで駆動力になっていない場合がなくなり50㎞/h台後半を記録するようになった。あまり出すと危険だから、出せる場所は限られてしまうが気持ちが良い。
今日では最初から11-28Tのスプロケである場合も多いので、あまり参考にならないかもしれないが、古いロードバイクで小さいスプロケの場合は試してみる価値はあると思う。
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