Huluの2週間無料トライアルの利用による、映画鑑賞レビューの連載。
第4回目はアカデミー作品賞、主演女優賞を含む4部門受賞に輝く名作「ドライビングMissデイジー」
先日観た「アビエイター」はアカデミー5部門受賞だったが、向こうは助演女優賞、撮影、編集、美術、衣装デザイン賞だから、こちらは作品賞と主演女優賞、脚色、メイクアップなので、名作度はこちらの方が上なのかなと。
もっとも、アカデミー賞はハリウッドの宣伝的色合いが濃いので、当てにならないのだけど。
観る前は変な誤解をしていて、痴呆ばあさんがメチャくちゃな運転をして車をボコボコにするスラップスティックコメディかと思っていたが、いい意味で裏切られたハートウォーミングストーリーだった。
1989年公開のアメリカ映画。ブルース・べレスフォード監督。
主演ジェシカ・ダンディは80歳でのアカデミー女優賞受賞。
上映時間1時間39分。
あらすじ
1948年のジョージア州アトランタ。ユダヤ系老未亡人デイジー・ワサンは買い物に出掛ける為に車をガレージからバックで出そうとするが、アクセルとブレーキを踏み間違えて隣家との境の垣根に突っ込んでしまう。幸いケガ人は出なかったものの、車はスクラップ、それを見かねた息子は運転手を雇う事にする。
工場主を務める息子の元に現れたのは、初老の黒人運転手ホーク・コバーンだった。最初は意固地に運転手付きの車に乗る事を拒んだデイジーだったが、ホークの真面目な人柄に徐々に打ち解け、6日目にしてマーケットへの買い物で彼の車を利用する。その後は、何処に出かけるにもホークに運転させるデイジーだった。
見所・感想
先ず、主演女優賞のジェシカ・ダンディだが、80歳と思えば大した演技力ではあるが、所詮は年寄り、セックスアピールがあるわけでもなく、口うるさい婆さんとしか見えなかった。観る人が見れば素晴らしい演技なんだろうが、これが正直な気持ち。
繰り返すけど、本当にウルサイんですよ、この人。
ネタバレになっちゃうんで書かないが、それが最後の心温まるシーンに繋がってくる訳だが、身内に似たようなのがいるので、心温まる以前に複雑だった。
対照的にホッとさせてくれたのが、黒人運転手ホーク役のモーガン・フリーマン。こっちの方が差別的身分にめげず常に前向きの態度で、生きる勇気を与えてくれる役柄で感心した。
デイジーの方もユダヤ系で、差別的な見方をされるシーンもあって、それでひねてる演技なのかもしれないが。
詳しくないのだが、モーガン・フリーマンはかなりの名優らしい。
この作品でも主演男優賞にノミネートされているし、ゴールデングローブ賞では主演男優賞を取っている。彼のほうが全然良かったと思うが、アカデミー賞は話題優先なんだろうな。
てことで、物語はこの二人の殆ど掛け合いで進行する。途中にいろいろ差別的なエピソードや事件が起こって、最後の最後で泣かせるという、単純ながら上手い構成だ。
ところで、これって未来にアップデートすると、運転手はAIの自動運転車になったりするんだろうか?
K.I.T.T.版は鉄板だろうが、ホーク版のAIも採用すると受けるかも。