スネップ仙人が毒吐くよ

60代独身じじぃの独白記


博士の愛した数式 【数学嫌いだけどマジに泣いた】

Huluの2週間無料トライアルの利用による、映画鑑賞レビューの連載。

第7回目は寺尾聰主演「博士の愛した数式」

小川洋子原作の同名小説の映画化。この人の小説は一度も読んだことはなく、日曜朝10時に*1おばさんの声を聞かされるのが嫌で、その時間には東京FMを聴かないと心に固く決めたことで、名前を覚えていた程度(酷っ

そのくせ、玉川美沙や新井里美の声は好きだったりするから、よく分からないw

 

どうやら、芥川賞をはじめ、有名文学賞を受賞しまくっている超有名作家らしい。

 

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

 

 

普段本に興味がないことがバレバレである。 

 

博士の愛した数式

2006年の日本映画。主演寺尾の相手役に深津絵里。
深津の子供役が齋藤隆成、その成長後の役を吉岡秀隆。

監督は黒澤明の遺作シナリオ「雨あがる」の映画化で知られる小泉 堯史。

上映時間1時間57分

 

あらすじ

√ ̄(ルート)のあだ名の中学校数学教師。あるクラスの最初の授業で、彼は昔語りを始める。

家政婦だったルートの母親は、ある老未亡人の義弟の世話を頼まれる。彼らは10年前*2交通事故にあった。義弟は事故以前の記憶はあるものの、新しい記憶が80分しか持続しなくなっていた。義弟は数学の大学教授だったが、大学を辞めざるを得なくなり、今は未亡人の屋敷の離れで一人暮らしである。

「博士」と呼ばれる元数学教授は、人とのコミュニケーションに数式を持ち出す癖があった。彼の担当となったルートの母親との妙な暮らしが始まるが、ある日「博士」は母親がまだ10歳のルートを家に一人残して、家政婦をしている事を知る。

ルートを心配した「博士」は、自分の住む離れにルートを連れて来る事を提案する。

博士は、家政婦の母親とルートに、様々な数式の美しい法則を語り、三人は暖かく楽しい日々を過ごすのだった。

 

見所・感想

何故だかラスト近くになると、涙が滲んでくるほど感動させられた。

自分は数学が超苦手で、「博士」の記憶が80分しか保てないのなら、自分は数式や法則を8分後には忘れてしまう。

そんな自分でも、「博士」の語る、数学の楽しさ、数式の美しさに感動せずにはいられなかった。よく数学教師が「エレガントな回答」という言葉を使っていたが、その意味がこの歳になって漸く理解できたような気がする。

ひとりの人間との出会いが、10歳の幼い少年に影響し、彼を中学の数学教師にした。

そして彼は、ある中学校のクラスで、授業を受ける子供たちに数学の面白さを伝えている。

こんな、素晴らしい授業を受けられたら、誰もが数学を嫌いにならずにいられたのではないか?

そう思うと、不幸な出会いだった自分と数学の関係がくやしくて、涙になったのかもしれない。

 

博士の愛した数式

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博士の愛した数式 [DVD]

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*1:小川洋子出演ラジオ番組「Panasonic Melodious Library」

*2:原作では17年前の設定