スネップ仙人が毒吐くよ

60代独身じじぃの独白記


【ネタばれ】ラ・ラ・ランドは絶賛されているけど、自分には面白くない映画だった

昨夜の話。Yahoo!関連サービスのGYAO!で映画でも見ようと物色したのだが無料では興味をひくものがなかった。

お勧め映画で、有料の物に「ラ・ラ・ランド」があった。

昨年の話題作でもあり、最近はてなのお題で絶賛しているブログを見たりしたので、高くないなら観ても良いと思ったところ、Tポイントカードを持っていない*1のにかかわらず何故かいくらかポイントが貯まっており、使用可能だったので購入した。

ラ・ラ・ランド(字幕版)

今頃ではあるが、昨年2016の話題作というと、自分は

  • 君の名は。
  • シン・ゴジラ
  • この世界の片隅に

を観ていたが、残念ながら自分にとってはそのどれにも劣る面白くない映画だったというのが、本音である。

君の名は。>シン・ゴジラ>>この世界の片隅に>>>>>>>ラ・ラ・ランド

という感じだろうか。

まあ、あくまで個人的感想で、世間の評判とは全く無関係である。

 

どうしてこうも、自分の中での評価が低いのか、首を傾げてしまうところである。

面白くない映画を、最初から面白くなさそうと思いつつ観る人間はなかなかいないわけで、絶賛されている評判の良い映画は、理想をいえば面白く観たいと思うのである。

ところが現実はそうでなく、つまらないと感じさせられてしまった。

 

そう感じた理由は色々ある。

  • ミュージカルに理解がない
  • ジャズに理解がない

この2つは真っ先に挙げられる理由である。どうも、この脚本を書いて監督した人は、この2つに相当思い入れがあったそうだが、過去の作品のリスペクトやインスパイアがあっても、こちとら全然素人でそれが何なのか理解しようがない。

いきなり渋滞中の高速道路でクルマを降りて踊りだすなんていうのは、狂気の沙汰としか感じない。絵的には面白く、結局ディズニーか何かのファンタジーとして納得させる訳だけどねw

 

いや、別に夢の国のお話だ、ファンタジーだっていうんなら、それで理解するんだけど、お話が妙にシリアスで、夢だけで終わらないのが、悲しいというか面白くないところだ。

ファンタジーなら、愛し合った者同士、結ばれてめでたしめでたしで終わって欲しいと願うものだが、そういう結末ではないし、途中で勘の良い者にはそれが分かってしまうストーリーで、夢にのめり込めない。

 

どうも、世間ではハッピーに終わらなかった結末が、深いとか、そこがいいと受けているように見受けられるのだが、自分には理解不能である。

 

確かに世間で評価されている他の例を見回すと、 風と共に去りぬなんか、シリアスである意味不幸な終わり方だが、宝塚でミュージカルの華やかな舞台になるは、不運の中でも強く生きていくヒロインが素敵ということになるので、それと同じで、ただハッピーなだけのファンタジーではない、不運があってこそ名作ミュージカルだ、という事なのだろう。

 

その辺に学がない自分は、楽しめないのはおまえ自身の理解がないのが原因だと責められているようで、ますます白けてしまう。

 

あと、もう少し細かく突っ込むと

  • 所詮イケメンと美人の出会い
  • 結ばれはしないが成功者の物語
  • 細かいところでリアリティがない

というのがあって、全く共感できなかった。

結局、黒人やヒスパニックで最底辺からのし上がって夢をつかむという話ではなくて、ある程度恵まれた層の人間が出会って、すれ違ったけど、最後は夢が叶うという話で、完全なるハッピーではないが、坊ちゃんお嬢ちゃんの話なんだよ。

リアリティがないというのは、特にクルマの話で、主人公は店をやるのに金がないとか言っていながら、デカいアメ車で燃費を気にすることもなくタイヤをきしませて走るし、ヒロインは旧型とはいえセレブの足車だったプリウスで、カフェのパートが買えるクルマなのか?って感じ。

物語の都合上、パーティーに行くとクルマはプリウスだらけという設定に合わせただけにしか見えない。

冒頭の高速道路で、3代目の古いカローラ(オレンジ色の車)と初代コロナ・マークIIのワゴン(水色の車)が写っていて旧車ファンとしては嬉しかったんだけど、本当に金に困るような生活なら、彼らにはそっちの方がお似合いである*2

そんな彼らが、古いジャズの店をやりたいとか、家族に女優がいたから自分もなりたいとか、夢の動機に重みがなくて、全く感動できないのだ。

 

うまくいえないのだが、ラ・ラ・ランドの恋愛話に共感できる層というのは、ある程度ハイソサエティの者だと思うのだ。日本でいえば田舎から上京して、そのまま東京で就職結婚、子供がいて家もあるみたいな。若い時に見た夢が全部実現したわけではないが、ある程度恥ずかしくない普通のサラリーマンみたいな。

昔いわれた普通のサラリーマンって、今は全然普通ではなくて勝ち組だと思うのだが、そういった層には刺さった映画なんだと思う。

普通のサラリーマンといっても、東京ではTVや音楽などのメディア関係の会社も多いから、そういった層は特に。

アーティストを目指して、結局サラリーマンになったとか。

 

あっ、安部礼司というラジオドラマがあるが、平均的とかいってるけど、うちらから見れば全然勝ち組でしょって感じで、地方にいるマイルドヤンキー層や都落ちして親と同居している高齢引きこもりには、全然共感できない気がする。

 

ここまで悪口ばかり書いたが、良いところも勿論ある。

俳優の演技はうまいし、絵的には綺麗で芸術性が高い事は理解できる。

ジャズは詳しくないが、音楽も良かった。

ただ話が、負け組の自分には刺さらなかった。

脚本兼監督のチャゼルは、この話の映画化にずいぶん苦労したようだけど、受け付けなかった映画会社の気持ちも分かるような気がする。

 

まあ、結局のところ自分の頭が、この映画を理解できない素人という事に尽きる。オタッキーで引きこもりの自分には、日本のアニメや特撮の方が合っているというわけだ。

 

ラ・ラ・ランド(字幕版)

ラ・ラ・ランド(字幕版)

 

*1:個人情報の扱いに不信感があり、CCCの図書館運営の介入にも良くない印象を持っているので、Tポイントの利用は避けたいと考えている

*2:実際のところは旧車の維持もお金がかかるのであるが