3万円前後で買える格安ノートPCが人気のようだ。
従来、パソコンに詳しくない一般人が家電量販店等で求めるNECや東芝等の有名メーカー製のノートPCの価格は15万~20万円ほどだった。
会社で使っているようなDellやHPの業務向けノートPCでも5万円台~というイメージだろう。
ところが、現在ではASUSやLenovo等中華系メーカーや業務用のイメージが強いDellやHPなどから、3万円前後で買える格安のノートPCが売られている。
上記のブログは、はてなでもトップクラスの有名ブロガーだが、この記事でかなりの売り上げがある模様。あやかりたいものだ。
先日も、自分が定期巡回の読者になっているブロガーさんが、ASUS E200HAを衝動買いしてしまった。
意地の悪い、空気の読めない読者である自分は以下のコメントを残した。
衝撃の衝動買いシリーズ!!買っちゃったよ「ASUSノートブックE200HAダークブルー」。 - 攻めは飛車角銀桂守りは金銀三枚
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熟考して買うべきだったのでは。RAM2GBにeMMC32GBって読んでるこちらが吐血しそうなスペック。その容量だと今後のアップデートに耐えられない気がする/RAM、eMMC基盤直付けで増設不可か、あかん。
2016/11/07 17:19
自分の使用しているサブPCはWindows 10でメモリ2GBなのだが、メモリ5GBを載せているメインPCと比較すると、かなりモッサリとした動作なのである。もちろん、CPUや記憶装置の性能でも使用感は変わるが、世間のWindows 10の評判を訊くと、メモリ2GBはギリギリのスペックでしかなく、4GB以上ないとまともに動かないというのが一般的な意見である。
また記憶装置のeMMC32GBというのも、かなり問題となりそうなスペックである。Windows XPであれば、必要にして十分の容量であり、自分が持っているASUS EeePC 4G-Xに至っては4GBしかなかった。だが、Windows 10はXPに比べると、容量喰いまくりであり、先ほどの開発コードネーム「Redstone 1」と呼ばれる大型アップデート「Windows 10 Anniversary Update」を自分のメインPCに手動で施そうとしたところ、約6GBの空きがあったにもかかわらず、空きが足りないとして実施できなかった。その後自動アップデートで導入されたのだが、残り僅か2GBほどしかない。
大型アップデートは来年開発コードネーム「Redstone 2」と「Redstone 3」が予定されており、現状32GBで間に合っていたとしても、OS自体のアップデートで足りなくなる恐れがある。
「Windows 10」、2017年は2つの大型アップデートがリリース予定 | 気になる、記になる…
更にASUS ノートブック E200HAで問題なのは、一般的なノートPCでは可能なメモリと記憶装置の交換が不可能なのである。メモリ2GB 記憶装置eMMC32GBは基盤に直付けでコネクターが存在しないのだ。上記の不都合があっても、改善する手法が塞がれているのである。
だから、空気が全く読めないバカであるが、脊髄反射的に「あかん」といってしまった。
ところが、ASUS ノートブック E200HAに変わるお勧め機種を探そうと、ネットを調べて回ると、もっと問題が根深い事に気が付いた。どの格安PCも、Windows 10 Home 64Bit メモリ2GB 記憶装置eMMC32GB(一部機種では64GB)と横並びのスペックなのである。しかも、コネクターなしの基盤直付けだ。
ここで、ようやく自分は納得した。
確実な情報はないのだが、これには以下のカラクリがあると思われる。
この記事は、現行機種ASUS E200HAの旧機種に当たるEeeBook X205TAの発表時のものである。
安さの理由には、マイクロソフトがChrome OS / Android への対抗としてOEM メーカーにのみ提供する、無料または安価なWindows 8.1 with Bing の搭載があります。
当時はWindows 8.1だったわけであるが、安さの秘密はマイクロソフトがOEMメーカーのみに、無料または安価にOSを提供したという事が分かる。
その後EeeBook X205TAはハードのスペックを変更せずにWindows 10 Home 32Bit版が販売された。
EeeBook X205TA以外にも複数のメーカーからWindows 8.1 with Bingを搭載した格安PCが発売されたが、これらのスペックも現在と同様、メモリ2GB 記憶装置eMMC32GB(一部機種では64GB)と横並びだったのである。
こうした状況から、マイクロソフトは無料または安価にWindowsをOEMメーカーに提供するかわりに、ハードのスペックに制限を加えたのではないかと想像されるのである。
更にいえば、2008年ごろWindows XP時代末期に「ネットブック」という格安ノートPCのブームがあった。自分が持っているASUS EeePC 4G-Xがネットブックのはしりといわれる製品である。当時も、液晶ディスプレイの解像度、CPU、メモリ等のスペックが各社横並びで、マイクロソフトからOSを格安で提供してもらう為の取引材料としてスペックに制限があったと噂された。
ちなみに、3万円前後で買える格安ノートPCでもDellの場合、全く同じ筐体でメモリ4GB 記憶装置SSD128GBの上位機種が用意されている。CPUも上位の物に変っている。もちろん3万円前後の価格ではなくなってしまうのだが。
Dell ノートパソコン Inspiron 11 Pentiumモデル ホワイト 17Q32W/Windows10/11.6インチ/4GB/128GB
- 出版社/メーカー: Dell Computers
- 発売日: 2016/08/26
- メディア: Personal Computers
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同モデルのメモリ2GB 記憶装置eMMC32GBの最廉価仕様は以下になる
Dell ノートパソコン Inspiron 11 Celeronモデル ホワイト 17Q11W/Windows10/11.6インチ/2GB/32GB
- 出版社/メーカー: Dell Computers
- 発売日: 2016/02/13
- メディア: Personal Computers
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その価格差は2万円弱で、決して安いものではない。だが、OS代7千円、メモリ代3千円、SSD代5千円、CPU代5千円と考えれば、ぼったくりでないことは理解できるだろう。
最廉価仕様でも、現状、ブラウザでタブを2、3個開く程度で同時にOfficeアプリを開かないという条件であれば、HDDより速いeMMCの効果もあって、意外と使える、不満はないと思っている人が多いようだ。だから、人気もあって売れている。
だが、問題が起きるのはこれからだ。上で書いたように来年はOSの大型アップデートが2件控えている。eMMC32GBで果たしてそれを乗り越える事ができるだろうか?
また、自分のようにブログを書くときに、参考となるサイト情報を見るためにブラウザのタブを同時に10個とか開いてしまう人間には、現状でもメモリ2GBでは完全に力不足だ。
全部分かっていて買った人はそれでいいだろう。多少使い勝手に制限があっても、これで十分だし、1年ほどでアップデートができなくなったとしても、その頃には新型が出るに違いないから買い替えれば良いとか、Linux等他のOSに入れ替えれば良いと考える人達だ。
だが、某人気ブログのおすすめ記事を見て購入してしまった人は、全くの初心者で、人気ブロガーがすすめるんだから、悪くないよねと信じた場合が多いのでは?そのような人には近い将来、こんなはずじゃなかったと、悲劇がおとずれるであろう。
初心者で何が良いのかよくわからないが、とにかく安くて小さくてオシャレなノートPCが欲しいという人は、少し頑張ってメモリ4GB以上、記憶装置容量64GB 以上の機種から選んでほしい。たとえ2万円高くても、後悔しないはずだ。
Dell ノートパソコン Inspiron 11 Pentiumモデル レッド 17Q32R/Windows10/11.6インチ/4GB/128GB
- 出版社/メーカー: Dell Computers
- 発売日: 2016/08/26
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