先日、うちのサブPCのHDDをSSDに交換した。
サブPCのスペックは以下の通り
- CPU:Celeron(デュアルコア)E1400@2.66GHz*1
- メモリ:DDR2 2GB
- GPU:オンボード
- HDD:SATA2 7200rpm 80GB→SSD:TLC 128GB
- OS:Windows 10 Pro x64
このパソコンをSSDに交換したのは、性能アップの目的は勿論だが、以前あまり信じてもらえなかった自説を証明するためである。
この記事で、自分はメモリ2GBに制限されて増やせないPCでも、SSDに交換する事で仮想メモリ(キャッシュメモリ)が高速化して、メモリが少ない弱点をカバーできると述べた。
しかしブックマークのコメントで、
Amazonセール2万円台のASUSノートPCは条件付きで買い - スネップ仙人が毒吐くよ
- [hardware]
うーん、個人的には微妙だと思う。swapしたら負け、だしなあ。cpuから見るとsataはあまりにも遠く、比較的新しいMBAなどに採用されたより高速なpci-ssdでもswapすると「なんかもっさりする」ってなる。
2016/12/12 01:27
といった反応があった。
swapとは仮想メモリに、メインメモリで処理できなかったデータを逃す事である。通常は速度が遅いHDDに仮想メモリがあるので、swapしてしまうとPCの処理速度は極端に落ちてしまう。HDDのアクセスランプが点きっ放しになってカリカリ音を立てながら、PCがしばらく無反応となってしまうのだ。
cpuからsataが遠いというのは、ほぼ直結されているメインメモリと違い、細いバス(データが通る道の様な物)を通ってマザーボード上のCPUから遠く離れた位置にあるサウスブリッジのIOインターフェースを介して接続されているので、HDDの様に物理的制限がなくても、データ転送速度に限界があるという事である。
最新のSATA3では理論上最高600 MB/sであるが、古いPCのSATA2になると半分の300 MB/sに制限されてしまう。メインメモリの場合は10000MB/sともいうので、桁がまるで違う。その為、SSDで少々速くなったところで、意味がないというのだ。
しかしながら、HDDへのスワップで数十秒掛かっていたものが、数秒で終わるのであれば、体感上大きな違いがあるはずだ。数秒がコンマ何秒であれば、遅れを殆ど感じないだろう。それでもモッサリと感じるか、結構早いと感じるかは人によって差があると思う。
ともあれ、仮想メモリ(キャッシュメモリ)の高速化でメインメモリの少なさをカバーできるという自説には自信があったのだが、いうだけでは信じてもらえなかったのである。
かなり力を入れて書いた記事だったが、肝心の ASUS ノートパソコン R206SAとSSDも当時はさっぱり売れずガッカリだった。

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だから、何とか自説を実証したいと考えていたのだ。
その為、サブPCの性能アップには、メモリを4GBに増やす方法や、CPUをCore2Duoに交換する方法もあったが、何はともあれHDDをSSDに交換する事にしたのである。
なお、少しでも ASUS ノートパソコン R206SAと近い条件にする為、32bit版だったWindows 10も64bit版にインストールし直した。
さて、SSD交換の効果だが、まさに思った通りの結果となった。
いつも使っているメモリ8GBのメインPCに近い性能が得られたのである。
メインPCのスペックは
- CPU:Phenom2 X3 720(2.8GHz)
- メモリ:DDR2 8GB
- GPU:オンボード
- HDD:SATA2 7200rpm 160GB
- OS:Windows 10 Pro x64
である。
「近い性能」といっても、ベンチマークソフトで比較したわけではなく体感だが、普段使っているGoogle Chromeやフォトショップエレメンツでの感触が、かなり良くなったのだ。
体感で良くなったと書いても伝わらないので、比較動画を用意した。
まず、HDD交換前の速度の比較である。
フォトショップエレメンツ8を使用して、かなり容量の大きい画像ファイルを開いて見る。
左画面はメインPC(Phenom2 X3 720、メモリ8GB、HDD)
右画面はサブPC(Celeron E1400@2.6GHz、メモリ2GB、HDD)
画像ファイル .PSD 203MB
当然ながら、サブPCの方が画像ファイルを開く時間が遅い。また開いた後、画像をピクセル等倍にしてスクロールすると、サブPCの方は表示が大きくカクつく。
実はフォトショップエレメンツ8はバージョンが古くて32bit版のソフトである。その為メインPCは8GBのメモリを生かし切っていない。
ファイルの開く時間が遅いといっても大した差がないのはその為だろう。
画像スクロールがカクつく問題はCPUやGPUの性能差もあるのかもしれない。
次に、同じ画像ファイルをフリーソフトのメディバンペイントの64bit版で開いて見る。
こちらならメモリの差が、より大きく出るかもしれない。
メディバンではサブPCはファイルの開く時間が大きく遅れる。50秒程度も時間が余計に掛かっている。しかし、ファイルが開いてからの操作性はあまり違わない。
さて以下の動画からが本番である。サブPCをSSDに交換した結果だ。
フォトショップエレメンツ8を使用して、同じ画像ファイルを開く。
左画面はメインPC(Phenom2 X3 720、メモリ8GB、HDD)
右画面はサブPC(Celeron E1400@2.6GHz、メモリ2GB、SSD)
画像ファイル .PSD 203MB
画像ファイルが開く時間は殆ど同じ。ピクセル等倍にした画像をスクロールするときに、ややカクつきは残るが、HDDだった時に比較すれば大きな改善がみられる。
メディバンペイントの64bit版での比較はどうだろうか?
こちらも画像ファイルの開く時間は、ほぼ同じである。数十秒も遅れていたのに、全く違いがない。ピクセル等倍画像のスクロールは、メディバンでは元々違いがなかった。
大幅な改善である。
以上、低スペックのスマホを手持ちで撮影した、拙い動画であるが、良く分かる比較ではないだろうか。
まだ、メモリ8GBのメインPCに劣るところもあるが、以前メインPCのメモリは5GBだった。
その時の体感を思い出すと、違いはないレベルともいえる。
動画の比較はないが、Chromeの場合も同等となった。
Google Chromeを開いたときのスクリーンショットだが、タブは12個開いている。ハードユーザーは一気に20個開いたりするらしいが、自分的にはこれ位で十分だ。
以前はポイントサイトにあるflashのミニゲームが、カクついてプレイし難い状態だったが、それも改善された。
これなら、サブPCのメモリを4GBにしたり、CPUをCore2Duoにしなくても良いかもしれない。
この比較のきっかけとなった、ASUS ノートパソコン R206SAの仮想ライバルは、同じASUS ノートパソコン VivoBook E200HA-8350である。こちらは、メモリ4GBでeMMC32GBだ。
R206SAのHDDをSSDに交換すれば、 E200HA-8350と比較して、体感速度は同等、使い勝手は大きく向上すると思われるのだ。
ただし、新品のノートパソコンの裏蓋を外してHDDをSSDに交換するのは、作業的には難しくはないが、保証が切れてしまうので大きなリスクがある。
また先日の記事で書いたが、Windows 10の次期大型アップデートCreators Updateでは、必要スペックが変更されるリスクもある。
PCパーツショップの販売状況を見ると、低価格のCPUとして2コアのセレロンやペンティアムが依然大量に売られているし、予告なしに4コアCPU以上に限るとは考えにくい。ただメモリは4GB以下を将来的に制限する可能性はあると思う。
あと1ヵ月そこらで判明する事ではあるが……
そんな感じで、あくまで購入については自己責任で検討していただきたい。

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*1:正規のクロック周波数は2GHzだが、裏技を用いてFSBを800MHzから1066MHzに変更、1.33倍にクロックアップしている