さて、今回から本格的にシャア専用ムサイの製作記となる。
前回、一応一通り部品を全部切り離して仮組したのだが、再び分解してしまう。
完全接着までに時間がかかるプラモデル専用液体接着剤の点付けで仮組したので、すぐに剥がせば簡単にバラバラになる。
部品を失くしてしまわない様、プラモデルの箱の蓋にまとめて入れているが、慎重を期すなら、タッパー等を用意した方が良いだろう。
仮組で製作上の問題点がいくつか見つかったが、今回は接着剤で組み立てる方式のプラモデルに慣れていない初心者が、一番苦労しそうな問題点から述べる。
宇宙巡洋艦であるムサイの中央部船体上下の接着である。
ガンプラの多くはパーツをただはめ込むだけでも完成するが、それが普通のプラモデルだと思ってはいけない。ガンプラ以外の殆どのプラモデルは接着剤を使って貼り付けるのが普通である。
今回の企画はキャラクターモデルの宇宙船だが、スケールモデルの艦船や航空機の胴体でも同様だと思ってほしい。
ここはおおまかに3つのパーツから構成されている。
上部船体左右と下部船体の3つである。
上部船体左右は、丁寧にパーツを枠から切り離して、断面にたっぷりプラモ専用接着剤を塗り付け、素直に合わせれば問題ない。多少接合面に段差や隙間が出来たとしても、後で修正できるので問題ない。
難しいのは、この上部船体に下部船体を貼り付ける工程である。
この写真は極端な例であるが、上下の接合面の合いを良く調整してから貼り付けないと隙間だらけになりがちなのである。
また部品の剛性の問題で、しっかり接合していないと、船体の中央部に力がかかった時に接合部が簡単にひび割れてしまう。
船体下部には台座が取り付けられるので、台座の取り外しで力がかかった時に、パキッと割れてしまう可能性があるのだ。
こちらの写真の様に、極力ぴったりと隙間なく接着する事が必要である。
上部船体については、剛性的にしっかりしていて、力を加えても簡単にはたわまないので多少いい加減な接着でも後でパテで埋めれば問題ないのだが、下部は簡単にたわむので、ヤワな接着だと危険なのである。
また、船体側面のダクトが取り付く部分の下側が、スジボリ状のラインになっていて、
ここが接合面でもあるので、ここを綺麗に貼り付けないとラインがガタガタになってみっともない事になってしまう。
だから、後でパテで埋めて修正するのでは都合が悪い。ラインを綺麗に彫り直す事になって、非常に面倒くさい事になってしまうのだ。
そういう訳で、上下がぴったり隙間なく合わさるように、接着前に部品の合いをしっかり調整する必要がある。
接合面をこのようにヤスリで均して調整するのだが、このムサイのプラモに関しては以下のコツがある。
余計なバリを削り落とすのは勿論だが、上の写真で赤線で囲った(2)のダクト下の隙間が大きい傾向がある。
なので、その前後の(1)と(3)の部分をやや削り込んでやると、相対的に(2)の部分が高くなって、隙間を埋めることが出来る。
合いの調整が良くなったら、先にも書いたように強度的に不安のある場所なので、たっぷりとプラモ専用接着剤を塗って接合するが、ダクト下の(2)の部分は接合面がスジ彫りのラインとなっているので、接着剤がはみ出ない様に塗らなくてはいけない。
しかし、そんなことは不可能に近いので、どうしたらよいのか?
接着には2種類のプラモデル専用接着剤を用いる。
1つは一般的なややドロリとした、粘度のある接着剤。
2つ目は流し込み用という、サラサラの粘度のない接着剤である。
まず、(1)と(3)の部分に粘度のある一般的な接着剤を塗ってパーツを貼り合わせる。
その後、(2)のスジ彫り部に流し込み用の接着剤を流してやるのである。
そして、完全接着の為にこのパーツは2,3日放置するのが望ましい。
今回の作業はここまでである。
最後に使用した道具の説明。
四角のガラス瓶がプラモデル専用接着剤である。
左の白いラベルが粘度の高い一般用。右の緑がサラサラの流し込み用である。
赤い取っ手の棒状の物が今回使用したヤスリ。
ダイヤモンドヤスリの半丸タイプの物である。片面が曲面で反対側は平面になっている。これ一つあれば、殆どの場面に対応する。
模型店に鉄製のヤスリで5本とか7本のセットになった物があるが、あんな物は値段の割に使えない。
ダイヤモンドヤスリの半丸一本の方が遥かに有用である。
おまけに、これはダイソーで買った物である。
下の緑の持ち手の道具はプラモ用ニッパーである。
爪切りや電工用でなく、専用の物を用意したい。