既に気が付いている方もいると思うが、自分のロードバイクのフレームには、変な形のバッグが取り付けてある。
それは、ENKEEOという中華系スポーツブランドのパンク修理キットである。
ロードバイクの携行品として必須といえるのがパンク修理キットと、応急用のツールセットである。
コンパクトにまとめたツールセットやそれを収納するバッグが各種販売されている。
一般的に人気が高いのは、サドルバッグやツールボトルである。

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しかし、自分のロードバイクはサドル高が低いのでサドルバッグを取り付けるためのタイヤとのクリアランスが十分ではない。ツールボトルにしても、普通シートチューブに取り付ける第二のボトルケージに収納するが、フレームサイズが小さすぎて高さが十分ない為、ケージ取付用の穴さえ開いていないので使えない。
そんな理由で、フレームのトップチューブから吊り下げるバッグを探していた。
しかしスペースが限られているため、どんなフレームバッグでもいいという訳ではない。

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例えば上記のバッグの場合、トップチューブとシートチューブが交わる角度が直角であればピッタリフィットするが、自分のバイクは110°位に開いている為合いそうにない。
このようなフレームの前の方に取り付けるバッグも現在付いているボトルケージが使用できなくなるのでバッドである。
そのような条件をクリアして見つけたのが、enkeeo パンク修理キットという訳である。
当初バッグと中に入れる修理用ツールは別々に購入するつもりだった。
特に携帯用の空気入れは使い勝手の良さそうな以下の物に目を付けていた。

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ブランド名は違っているが、写真をよく比較すると全く同じ空気入れに見える。それも、enkeeo パンク修理キットを購入した大きな理由である。
バッグと内容物全ての写真。
充実した内容に見えるが、役に立つ物ばかりではない。あとで詳しく述べる。
キットの総重量は575g
ロゴとジッパーが付いている面の反対側は、スマホなどの薄い小物が入れられるメッシュポケットがあって便利である。
フレームへのバッグの固定はベルクロ留めのベルトで行うが、ここの使い勝手が良くない。
ベルクロは上の写真1番と2番の質感の違う布が合わさって貼り付くが、取り付けてみると1番の布同士が向かい合ってしまい貼り付かない。
仕方がないので若干ベルトを緩め、ぎりぎり2番の布が1センチほど重なるようにして固定している。
フレームがもっと太ければ良いのだろうが、1番の布がもっと長ければしっかり固定出来るはずで、非常に残念な作りである。
またベルクロが一部分でしか貼り付いていない為、ベルトの端が浮き上がってしまう。浮き上がってしまったベルクロテープはカギ状の引っ掛かりがある布である為、ここが内股に擦れて履いているパンツの布地を痛めてしまう。
どうにも具合が悪いので、ベルトに輪ゴムを通して浮かないように固定した。
自分はフレームバッグとして自転車に取り付けたが、本来はサドルバッグとして使用するのが正解なのかもしれない。それならばこのベルトの作りでも内股に干渉しないわけだから。
そのうち別のフレームバッグを求める事になるかもしれない。
さて、内容物の件だが、空気入れについては思った通り、使い勝手が良く重宝している。
携帯ポンプは何回もポンピングしないと空気が入らないとかいうが、このポンプは適度な大きさである為、それほど苦労しなくても空気が入る。
取りあえずロードバイクを走らせるのに必要十分な空気圧である80PSIにするには腕の力だけで入るし、自分のバイクのタイヤで最高気圧の100PSIは、地面にポンプの底を押し当てて、体重をかけてプッシュ。
そういう使い方ができるのはホースが付いているからである。一部のポンプはホースが付いていないが、自由な持ち方が出来ないので力が入らないし、体重をかけて押し込むことも不可能だ。
携帯ポンプは絶対にホース付きでないとダメだと思う。
おまけに見やすい圧力ゲージがついているので、勘でなく空気圧が分かる。
自分は家に置いておく大きな空気入れも持っているが、最近はもっぱらこの空気入ればかり使っている。その位使い勝手が良い。
空気入れについては、ハンドポンプではなくCO2インフレーターを使う人もいるが自分は懐疑的である。
まず、大きさに騙されるが意外と重い。上のセットで190gである。ボンベ1本が約60gで2本で120g、のこり70gがバルブやウレタンパッドの重さである。
ボンベを一本にしても130gとなる。
対して、自分の空気入れの重さは実測146gだった。大して違いがない。労力についても、先に述べた通りで全然問題ではない。
CO2インフレーターはボンベ一本にしてしまうと、失敗した時に空気不足となってしまう不安がある。結局ボンベを2本持つか、別の超小型の空気入れを持つことになる。
そうなると、重量的にはハンドポンプより重くなってしまう。
またボンベは使い捨てなので、毎回余計なコストがかかってしまうことも大きい。
CO2インフレーターのメリットは、重量はともかく大きさがコンパクトなので、全てを容積の限られるツールボトルに収納可能である点だろう。
空気入れについては満足できる物だったが、他のツールはお世辞にも良い物とは言えない。
パンク修理のもう一つの要であるパッチだが、しっかり貼り付けても空気を充填していくとある所で、ブシューと音がして空気が入らなくなってしまう。
穴の開いていしまったチューブで3回試したがダメである。開けてみると、パッチの一部が剥がれてしまっている。
ある所というのは、丁度空気圧60PSIである。
60PSIでは、ママチャリやマウンテンバイクの場合なら十分であるが、細くて圧力が必要なロードバイクのタイヤでは不足である。応急用で低圧で我慢するにしても、転がり抵抗が増えてスピードを上げられないし、再度パンクする可能性も増える。
説明書には圧力制限があるとは記載されていないが、地元のスポーツDEPOに同様のパッチが単品で売られており、その説明にはやはり60PSI以下で使用との注意書きがあったので間違いない。
タイヤを外すためのツールであるタイヤレバーもいただけない。ロードバイクに使われているアルミやカーボンのリムを傷付けてしまう恐れがある金属製である。
単品で売られている同様の空気入れに付属しているタイヤレバーはプラスチック製だったのに何故か金属製に変更されてしまっている。これは全然よくない。
十徳ナイフのような16-in-1の折り畳み式の携帯ツールセットも全然ダメな代物である。
6角レンチの金属が全く焼き入れされていないヤワな代物で、力を入れると容易にたわんでくる。
それに大体、ロードバイクの修理に使うツールとしては全く必要のないツールが多数含まれていて、必要以上に重いだけである。ボックスレンチなど付いていても使用する場所がない。
Amazonのレビューでは良いものが付いているかのように書くレビューアーもいるが全く嘘っぱちである。評価できるのは空気入れのみだ。バッグも難はあるが一応は使えるといっていいか。
以上の理由で携帯ツールセットとして全く頼りないので、一部は変更、その他是非とも携帯したい物を別途追加装備した。
タイヤレバーはダイソーで買ったパンク修理キットに入っていたプラスチック製と交換した。これでも現在のタイヤでは問題なく使用できた。パナレーサーやシュワルベ製のレバーが人気の定番品だが、余裕があるときにでも買い換えれば良いだろう。
タイヤパッチはCBあさひで買ったゴムのり不要のパッチと交換した。一応テストで100PSIにも耐える事は確認したが、応急修理用で一晩経つと半分ほど空気が抜けていた。
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この種のゴムのり不要のパッチとしてはパナレーサーやパークツールが有名だが、それらもあくまで応急用と割り切るべきである。

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一部で完全修理になるという声もあるが、パナレーサーのパッチは一度使ってしまうと剥がして再修理がしにくい物である為、結果的にそのまま使い続けて洩れなかったというだけである。直らず洩れてしまったという例も多数あるので、過剰な期待はしない方が良い。
あさひで買ったパッチは応急用だが、剥がしてゴムのりを塗って貼るパッチで再修理する事は可能な物の様である。
そういう意味ではどちらを使っても一長一短である。
という事で、これらのパッチはメインのパンク修理材ではなく、応急用であり、保険、もしくはお守りのような物である。
ロードバイクのパンク修理において、一番確実なのは穴の開いたチューブを修理して使うのではなく、新品のチューブと交換する事だ。
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こちらのチューブ一本を箱から出してジップロックのビニール袋に入れている。裸で入れていると擦れて新品なのに穴が開く悲劇が起こるので必ず袋に入れよう。自分はバルブの長さ48㎜の物で足りるが、ディープリムのホイールの場合は60㎜や80㎜が必要だ。
チューブはかさばるので一本しか持てないが、万が一、2回目のパンクがあった場合の為に応急用のパッチを持つのである。
折り畳みツールは不必要に重いので、バラの6角レンチ3本(6・5・4㎜)と+-差し替えのドライバーに置き換えた。通常出先で触る可能性のあるネジはこれだけである。
そして、携帯すべき専用工具としてチェーンカッターを追加した。
ロードバイクのトラブルでパンクの次に多いのが、チェーン切れとディレーラーハンガーの破損であるとか。
チェーンカッターはそれらに対応するためのツールだ。
チェーンが切れた場合はチェーンを数コマ詰めて繋ぎ直す。少々短くなっても、チェーンリングのインナー側のみを使うなど、ある程度変速可能で走行継続できる。
ディレーラーハンガーの破損は予備のハンガーを持っていれば理想的ではある。しかし、最低でもチェーンカッターがあれば、変速機をスルーしてチェーンを適当な位置のスプロケットに掛け、シングルスピードのバイクとして運用すれば走行可能となる。
上記6角レンチ3本とドライバーとチェーンカッターの重さを合計すると184gになった。
対して使えない折り畳みツールセットの重さは204gである。こんな糞ツールより、バラで揃えたツールの方が有用で軽量なのである。


自分が購入したTOPEAKのユニバーサルチェーンツールより軽量で小さいチェーンカッターや、チェーンカッターが付属している折り畳みツールセットもあるが、小さすぎて使いにくかったり、耐久性がなく一回で使用不能になる信頼性のない物もある。
ほどほどの大きさと重さで使い勝手もいいので、このチェーンカッターがお勧めだ。
非常用でなく一般整備用としても使えるクオリティである。
また、別売りの8速用のチェーンピンも2本、持ち手の中に収納している。
その他、バッグの中には布ガムテープを小さく巻いたもの少々、結束バンド5本(タイラップ・インシュロック)、ワイヤーロック2本、ペーパータオル少々が入っている。
布ガムテープはタイヤが裂けて穴が開いた時の補修用や何かを固定するなどに使用。
結束バンドも何かの固定用。
ワイヤーロックは、別にメインの鍵として丈夫なチェーンロックも携行しているが、その補助用である。
ペーパータオルはチェーンが外れたのを直す時に手が汚れるので、それを拭う為である。薄いティッシュでは拭き難いし、ウェットティッシュのパックはかさばるので。完全には綺麗にならないが、運転に支障がない程度に拭えれば構わない。
これだけ揃えれば大方のトラブルには対処できるだろう。欲をいえば、ニップル回しやディレーラーハンガーのスペアも持ちたいが、既に全部を合わせると730gにもなるので、あまり物を増やしたくないところだ。それよりも輪行バッグを携行した方が有用かもしれない。