Huluの2週間無料トライアルの利用による、映画鑑賞レビューの連載。
第8回目はチェ・ゲバラの実話映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」
「チェ・ゲバラ」知ってますか?
カストロと共にキューバ革命の立役者として、ゲリラ戦を指揮した革命家として有名な人物。
本作は彼が23歳の医学生だった時、友人のバイクに相乗りしてアルゼンチンを発ち、チリ、ペルーを経てベネズエラへ至る約1万km、半年にわたる旅行記「モーターサイクル南米旅行日記」を映像化したものだ。
2004年のイギリス/アメリカ映画。監督はブラジル出身のウォルター・サレス。
主演はバベルにも出演していたメキシコ人俳優のガエル・ガルシア・ベルナル。
上映時間2時間7分
あらすじ
1952年1月4日、アルゼンチンの医学生エルネスト(ゲバラ)は先輩で友人の生化学者 アルベルトとともに、旧型のイギリス製バイク、ノートン500に乗ってブエノスアイレスを出発した。チリ、ペルーを経由、4ヶ月約8000kmを走って南米の北端ベネズエラ・グアヒラ半島に至る計画、いきあたりばったりの、放浪の旅の始まりだったが…。
見所・感想(ネタバレ注意)
公式サイトが「チェ・ゲバラ」と、最初からネタバラシをしているので書いているが、自分は初め、タイトルだけ見て、「バイクのロードムービーか、おもしろいかも」と思って観始めた。「キリン」で書いたが元ライダーであるので、バイク関係であれば興味を感じるからだ。
ところが、ノートン500が快調に走るシーンは殆どなく、おんぼろバイクが未舗装路を危なっかしくノロノロと走るシーンが僅かにあって、あとは人と話したり踊ったり、ケンカするシーンばかりで、「何だこりゃ?」と20分ほどで、眠たくなって暫く放置していた。
放置している間にAmazonを見ると、つまらないと思ったのに星がいっぱい付いていて評価が高い。またまた「何だこりゃ?」と思って、説明を見ると革命家「チェ・ゲバラ」の名があって、漸く作品の成り立ちを理解した。
ネタバレは本意ではないが、
ネタバレ注意
「モーターサイクル・ダイアリーズ」とあるのに、映画の1/3位のところでノートン500は息の根を止めて、彼らはバイクを降りてしまう。8000kmの予定が、わずか2900km でおんぼろバイクは鉄くずとなるのだ。
とんだ詐欺である。バイクマニアの期待には応えられない映画だ。
まあ、ゲバラが書いた日記のタイトルがそうだったから、という事なんだろう。最初は途中でバイクを降りてしまうなんて、彼も想像しなかったに違いない。
バイクを捨ててからは、歩いたりヒッチハイクをして旅を続ける二人。
気を取り直して見続けるが、皆が言うほど面白い作品とは感じなかった。
ゲバラはこの旅で南米の貧民層の苦しい生活を目の当たりにして、革命戦士の道を志すようになったというのだが、今の日本でも最貧民層は負けず劣らず悲惨な生活で、アフリカ、アジア世界中で、最下層の人間は苦しさにあえいでいる。
南米だから特別とも感じられないのは、感覚が既に麻痺しているのだろう。今更としか感じないのだ。
ゲバラの専門はハンセン病だが、登場する患者はフリークス度が低く、ここでもショックを感じない。もっとも、極端な患者を登場させれば、差別を助長するものとして問題になるから表現を穏やかにするしかないのであろう。
ここまで、散々Disってきたが、見るべき点があるとしたらゲバラの行動力だろう。
喘息持ちで、いつ発作が始まっても不思議でないのに、十分な金と装備を持たずに南米大陸横断の旅に出るという無鉄砲さ。
クライマックスでは、誰もやった事がないという、アマゾン川の対岸まで泳いで渡るという行為をやってのける。喘息という伏線があるので、泳いでいる途中で発作が起きないか、ハラハラドキドキのシーンだ。
これまた無鉄砲さの極みである。
こうした無鉄砲な行動力が、後の革命戦士としてのカリスマ性に直結していくのだろうと想像させられる作品だ。
- 作者: エルネスト・チェ・ゲバラ,角川書店装丁室,棚橋加奈江
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2004/09/23
- メディア: 文庫
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