自分のロードバイクmomentum iWant2.1f-Eはフレームサイズ400㎜で身長150㎝~の女性用である。
http://www.momentum-bicycles.jp/wp-content/uploads/2016/01/2012_MMTcatalog.pdf
それにもかかわらずサドルの高さは低く、ハンドルの位置より大幅に低いという有様である。
低身長(156㎝)、短足が恨めしい。
通常ロードバイクは前傾姿勢を深くして、空気抵抗を減らすとともに上半身の筋力も有効に使用する為に、サドルを高くしハンドルはそれよりも低いポジションを取るのが常識である。
ハンドルはサドルより低いか最低でも水平が正しいポジションだ。
ハンドルを留めているステム(クランプになっている部分)の下に挟まっているスペーサーを取り除いてステムを一番下に下げ、スペーサーを上にはめ直したが、それでもまだ高い。
これでは上体を起こして乗るポジションのクロスバイクと同等で、ロードバイクの意味がない。
もっと下げられないかと検討したところ、ステムの下の富士山のようなパーツが気になった。
最初ベアリングを抑えてカバーするトップカバーだと思っていたのだが、そのパーツは別にあり単なるスペーサーであることが判明。外して通常の形状のスペーサーをステムの上に追加すれば、フレームぎりぎりの位置までハンドルを下げられることが分かった。
てな感じで、ハンドルを大分下げた(まだ足りんけどorz)のだが、上に突き出た出っ張りが邪魔かつカッコ悪い。
乗って漕ぐと、顎が出っ張りにぶつからないかと心配になるほどである。
前置きが長いが、そういう訳でこの部分をカットすることにした。いわゆるコラムカットである。
ネットを徘徊して色々調べてみると、コラムカットを行う上で最も難関なのは、スターファングルナットという特殊なネジの位置を、カットする部分より下に移動する作業であることが分かった。
コラムの頂上にあるトップキャップのネジを外すとコンニチワするのがスターファングルナットである。これを現在の位置から、カットラインの下に移動しないとトップキャップを閉じられなくなってしまう*1。
なお余談であるが、赤さびが出ているのは、このロードバイクが安物でコラムがスチール製だからだ。通常コラムはアルミである。ナット自体は殆ど錆びていないので、このまま利用する。
スターファングルナットは逆爪で上から押し込むと下がるが、上には戻らない仕組みである。その為単純に上から何かで叩いて落とせば良いように感じるが、事はそう単純ではない。
ネットにはドライバーやボルトをあてがってハンマーで叩く勇者も見つかるが、ナットが斜めに傾いて入ってしまい失敗する例が報告されている。
プロは専用の工具を使って押し込むが、その値段が高い。
GIZA PRODUCTS(ギザプロダクツ) アンカーナットセッター TOL20401 ブラック
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またコラム自体をカットする道具も必要だ。オーソドックスなツールはパイプカッターである。
SK11 パイプカッター 切断能力 4~32mm PC-32
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パイプカッターはダイソーなどで400円程度の物もあるが、これらを合わせると2000円から3000円が必要となる。
自分でやらずに店に頼む手もあるが、CBあさひの場合で約2000円の工賃である。
いずれにしても最低2000円は必要という訳だ。
大した費用でないと言えばそうであるが、あいにく自分は貧乏で千円札さえ大金である。何とか節約して安くやりたい。
だが失敗はダメだ、安全確実かつお安くである。
答えはネットで調べればすぐに見つかる。
M6の長ネジをコラムの下側から差し込んで、スターファングルナットにねじ込み、コラムの穴にワッシャーを噛ませて、長ネジを下に引き抜く方法である。
という事で今更、自分が説明することもないのだが、一応作業をここに記録する。
コラムカットに使用した主要な道具だ。新たに買ったものは以下の2点
- M6の長ネジ
- M6ボルトナットセット
である。この2つで僅か161円(税込)だった。
ボルトナットセットは、地元のホームセンターでナットとワッシャーが単品でなかった為仕方なしにセット品を買ったのである。それぞれ1個あれば良い。単品で買えるならもっと安くなったはずだ。
後は全部手持ちの品で
- 6角レンチ
- スパナ
- ガムテープ
- 組み立て家具用の穴あき鉄板
- 金鋸
- ヤスリ
である。
パイプカッターは持ってなかったが金鋸は有ったので、それを使おうという訳だ。
中学生の時に買ったレトロな一品である。
あと補助的な道具として
これらも使用した。その他、写真に撮り忘れたがCRC5-56のスプレーも使用した。
作業は初めにコラムカットの位置を決める。
切りすぎると後に戻れないので慎重に。
自分は後で厚みが1㎝高いステムに替えるかもしれないのでスペーサーを1.5㎝重ねた位置に印を付けた。最低でも5㎜のスペーサーを余分に付けた位置が望ましいと思う。
タイヤを外して車体を横倒しにする。ハンドルは外さず、向きだけを90度横にした。
コラムを抜いてフォークだけで作業する人もいるが、ハンドルを外さない方がフォークを固定出来て作業性が良いと思う。
ハンドルは向きを変えなくても良かったような気がするが……
コラムの下側の穴から長ネジを通すが、ブレーキ固定用のネジが邪魔なので、ブレーキは取り外す。
コラムの下側からM6の長ネジを通してスターファングルナットにねじ込む。
少々斜めっているが心配ない。
組み立て家具用の鉄板の穴に長ネジを通し、ワッシャーとナットを締め込んでいく。
上の写真では長ネジが斜めになっていたが、少し鉄板を前方に引きながらナットを締め込めば、中央位置に補正される。
そのまま、カット予定位置より下側にスターファングルナットが来るように様子を見ながらナットを締め込む。
スターファングルナットを移動し終わったら、先ほどコラムにマーキングした位置から約3mm下がった位置にガムテープをぐるぐる巻く。
これをガイドにして金鋸でカットする。
最初にマークした位置から必ず数mm下がった位置でないと、コラムを正しく固定できないので注意。
こういう道具もあるが、高いので当然却下。
GIZA PRODUCTS(ギザプロダクツ) ソーガイダー ブルーチェック TOL18000
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カット終了。途中の写真を撮り忘れてしまった。
金鋸の歯がダメにならないように、時々CRC5-56をスプレーしながら慎重に切っていく。
まずまずの切り口である。
切粉が中に落ちないように、掃除機できれいに吸い取る。
またスターファングルナットの位置が浅いので、追加で約1㎝沈めた。
ガムテープをはがし、切り口のバリをヤスリで滑らかにする。
全ての部品を取り付けて作業終了だ。
どうもお疲れさまでした。
*1:フルカーボンバイク等、カーボンコラムの場合はプレッシャープラグという部品が使われていて、ネジを緩めるだけで容易に着脱できる