U-NEXT31日間無料トライアルの連載エントリ7回目は、「バベル」
ブラッド・ピット主演で、我が国では菊地凛子をスターダムに押し上げたことで有名な作品。
内容について事前の知識は全くなく、単に菊地凛子から来る興味で視聴した。
2006年公開のアメリカ映画。2006年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門で監督賞を受賞。監督のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥはメキシコ人である。
「バベル」というのはバベルの塔で知られる、あのバベルである。
あらすじ
モロッコを旅行中のアメリカ人リチャード・ジョーンズ(ブラッド・ピット)とその妻スーザン。彼らには幼い3人の子供がいたが、末子を亡くし、その為関係がぎくしゃくした物になっていた。他のアメリカ人観光客と一緒にバスに乗車中のジョーンズ夫妻を一発の銃弾が襲い、妻のスーザンは重傷を負う。テロ事件としてモロッコ警察ばかりか、アメリカ政府も動く大事件に発展するが、実はその銃弾を放ったのは、現地の遊牧民の子供ユセフだった。害獣のジャッカルを退治するために父親から渡されたライフルだったが、兄とふざけあっているうちに、いたずらでバスを撃ってしまったのだ。
メキシコ国境に近いアメリカのジョーンズ家では、2人の幼い子がメキシコ人のベビーシッター、アメリアに見守られながら旅行中の夫妻の帰りを待っていた。アメリアは息子の結婚式に出席する為帰国の予定があったが、夫妻は予定を過ぎても帰国せず、代わりのベビーシッターも見つからない為、ジョーンズ夫妻の子を連れメキシコに帰国してしまう。
一方東京では、母親を自殺でなくした聾者の女子高生、綿谷千恵子(菊地凛子)の住む高層マンションに刑事が訪ねてくる。刑事は父親の安二郎と連絡を取りたいという。千恵子は母親の件で刑事が来たと誤解するが、彼らの目的はそうではなかった。
見所・感想
菊地凛子の貧相なオールヌードで終わり(冗談
というか、本当にそれしか見所なくて、駄作と決め付ける人が多そうである。
映画芸術に理解が浅く、エンターテインメントとしか見ていない自分を含めた多くの素人観衆には少々理解が難しい作品だ。
あのカンヌで監督賞を取っているのだから、駄作と決め付けられる物ではないだろう。玄人には評価できる芸術度の高い作品なのかも。
タイトルの「バベル」から、バベルの塔の逸話にある、神の天罰で人々がそれぞれ違う言語を話すようになって、その結果統制がとれなくなり、人類は世界に散り散りになって暮らすようになった事をテーマにしているらしい。
ひとことでいうなら、「ディスコミュニケーション」だ。
モロッコ、アメリカ・メキシコ、東京の3箇所で同時進行的に、それぞれの場所でのストーリーが展開する。
場所は3箇所だが、主要な人間関係は4つのグループに分けられる。
モロッコではジョーンズ夫妻と、遊牧民の家族。
アメリカ・メキシコでは、ベビーシッターのアメリアとジョーンズ夫妻の子供。
東京では、母親を失った父子。
これら4つの人間関係が、それぞれ何らかの「ディスコミュニケーション」を抱えているというわけだ。
また、モロッコでは妻を撃たれたリチャードと他のアメリカ人観光客との不和やアメリカ人とモロッコ人との不和。
アメリカ・メキシコでは、メキシコ不法移民と国境警備員及び警察との不和。
東京では、健常者と聾者の不和等、が描かれるのだ。
それらに気付くかどうかが、作品の評価を大きく左右すると思われる。