スネップ仙人が毒吐くよ

60代独身じじぃの独白記


ブレーキをテクトロR540から105に交換、効きは良くなったか?

先日ロードバイクのブレーキを交換した。

以前付いていたのは悪名高いテクトロだった。

 

snep1000.hatenablog.com

 

交換したのはシマノ105の現行版であるBR-R7000である。

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中古品のパーツを多く使っている我がロードバイクにしては珍しくおニューである。

値段も安くはなかったが、楽天のリンクから高価な商品を買って下さった読者様からの臨時収入で購入に踏み切った。誠に感謝感謝であるm(_ _)m

 

結論から書こう。せっかくのおニューパーツであるが、

 

自分の印象では全く効きが良いとは感じられなかった。

 

巷の噂では、最低でもブレーキは105以上とか、テクトロとは別物とか、散々良い話を訊かされていたし、自分としては全然安くない値段なので、相当期待していたのであるが、正直いってがっかりである。

シェイクダウンのライドでは平地主体で、あまりハードなブレーキングは試さなかったので、その後いつも練習している斜度ややきつめの峠道でも試したが、印象は変わらなかった。

全然自慢にはならないが、この峠のダウンヒルでは176人中4位を記録していて、タイトコーナーのブレーキングはそこそこ自信があるのだ。ブレーキングで楽が出来れば更に上を目指せると期待したのであるが……

以前のテクトロR540と同様であって感銘を受ける物ではなかった。

途中、前を走るクルマに追いついてしまったので全力アタックではないのだけれど。

 

まあ、あくまで印象、個人の感想でしかないのだが、それは世間の噂とて同様であろう。

科学的に時速何キロで何メートルで停車といったレビューは見たことがない。

 

細かい事を更にいうと、体重50kgのライダーと100kgでは当然違うし、握力の大小でも違うはずである。

 

握力が出てきたのでその話をすると、唯一違いを感じたのは、105の方がレバーの引きが軽いという事である。

これがアドバンテージであるのは確かだが、誤解してはいけないのはそれが制動力が高いという事にはならないという事である。

何故なら、ブレーキシューがリムを捉えるまでは、引きの軽さ=バネの強さが影響するが、それ以降はシューがリムを押さえつける力が制動力となるのであり、そこで差がないのならば、バネの強弱は無関係である。

自分の印象ではシューとリムが接触してからの感触と重さに違いはなく、握り初めの軽さは別として、握り込んだ時は同じなのである。

バネの軽さについては、クルマの大衆車とスポーツカーでも同様の話がある。大衆車は力のない人が楽に運転できるようにペダルが軽くなっているが、スポーツカーは重めである。しかしブレーキの性能が高いのは大衆車ではなくスポーツカーの方である。ペダルの軽さと制動力はそれぞれ違う評価なのだ。

だから、105の引きの軽さについては認めるが、ブレーキが良く効くのか?という問いについては自分はそうではないと感じるのだ。

 

いや、シューがリムを捉えてから先にもテクトロと105に違いはあるだろうと思われる巷の噂もある。

いわゆる剛性の差というヤツだ。

アームがへなへなで、力を加えても真っ直ぐシューを押し付けられず、左右にぶれてしまえば制動力にならないだろうという話である。

自分もある程度その話は気にしていて、それ故105に期待したのであるが、自分が鈍いのか何なのか知らないが、実際には差が感じられず、ガッカリしたというのが正直なところである(ガッカリなのはお前の方だという陰口もあろうが)。

 

想像に過ぎないが、初期の入力ではたわむ物が大きな入力ではサチって(飽和して)しまい、それ以上の変形がなくなるから結局のところ伝わる力は変わりがないという事ではないか?

例えば柔らかいコイルバネを押しつぶすと、途中はバネ特有の反力を感じるが、完全に押しつぶしてしまうと底付きでバネがないのと同様の感触となる、という事である。

 

しかし、最終的な制動力に差がないとしても、剛性のあるアームとサチる事で同等の力を発揮するヤワなアームでは、途中の感触に差がある事になる。いわゆるダイレクト感とかスポンジーな感触というヤツなのだが?

これについても、自分は凡人だからか、大きな差を感じることは出来ない。

 

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大体、巷に広がる噂ではテクトロはアームが柔々で剛性がないというのだが、自分の使っていたテクトロは、決して細くて弱々しいようには見えない。上の写真の手に持っている方がテクトロである。遠近法があるにしても、そんなに差があるだろうか?

実際に動作させても、何処かの動画でこんなにしなりますとか言っているのと違い、かっちりしているのである。

 

以前の記事でいってるが、テクトロといっても種類が色々あり、ローエンド車に付いているのはR312であり、本件はR540というミドルグレードのブレーキである。形状も違うが製法も違い、R312は鋳造だがR540は冷間鍛造である。溶けた金属を型に流して成型した鋳造と、固体の金属を叩いて成型した鍛造では強度が全く違う。105も同様に鍛造である。

R540はデザイン的にも優れており、表面にデュアルピボットの軸となるボルトが露出しない作りとなっていて、後側に6角ボルトの頭が露出する105の方がむしろ安っぽく見える。ワイヤーのアジャスターにしてもテクトロの方が高級感がある。

どちらも自分の趣味でシルバーなのだが、105は純粋なシルバーではなく、黒っぽく鈍い輝きで、白く明るく輝くテクトロR540の方が美しい。

自転車知識のない一般人にブランドを伏せて選ばせたら、R540を選ぶ人は多い筈である。
現行のR7000は以前の105と違いエアロデザインとなり、武骨なガンダム的形状になり、その点も好みが分かれるところだ。

形状や色は買う前から分かっていたことで好みではないのだが、巷の噂の様に性能的に感激できる物であれば目をつぶっても良いと思う。しかし、そうではなかったので辛口となってしまう。

 
その他、105は重量が重い。R540は前後ペアの実測で329.8g、R7000は実測していないがカタログでは379gとなっている。お金がなくてなかなか買えなかったのもあるが、この重さも気になって、これまで積極的に買う気持ちにならなかった。下のグレードのティアグラや上のアルテグラの方が軽いので、それらの旧型の中古を入手するつもりで物色していたが、前回の記事で軽量化に意味がない事を悟り、今回の購入に至った。

 

snep1000.hatenablog.com

 

以上が、現行105のキャリパーブレーキBR-R7000に対しての感想である。

 

さて、以降は巷のテクトロと105の評価に対する考察である。

一つの理由としては、R312に代表されるローエンドのあまり良くないテクトロと105の比較がごっちゃにされている件。

これは、レバー比、剛性、シューの出来からいって、テクトロR312に良い所は全くなく105に変えて良かったと感じるのは当然と考える。

しかしながら、数は少ないものの、自分が使っていたR540と105を比較して、やはり105の方が全然良いという声もあるのである。

あるブログではR540のシューだけシマノに替えて使っていたが、やはり105(一つ前のBR-5800)にしたら全然違ったというもの。シューは自分もシマノに替えていたので同じ条件である。

これは上でも触れたが、レバーの引きの重さを効きの良さと誤解している節があるのではないのか?と疑っていた。

ところが調査を進めると、レバーの引きを軽くする為R540のバネを加工(バネの片方を万力に固定してもう一方をペンチで無理やり曲げてやる)してみたが、それでも105とは効きに差があったというものを発見した。

そのブログを発見する以前にバネの加工は自分も試みたのだが、手持ちの工具ではバネを上手く掴めず滑ってしまうので断念していた。

そういう経緯があるので、やはりテクトロは劣るのか?という疑念が膨らむ。

 

一方で、そんなに効かないとか、効かなくて怖い思いをしたという経験もなく、全く逆の、ちょっと世間の噂は表現がオーバー過ぎるのではないかという疑念も同時に抱き続けていた。

 

もうこれは自分で確かめるしかなく、結果は上記の通りなのであるが、これは一体何なのか?

 

考察といったところで、実は訳わかんないのである。

あと考えられる要素としては、体重とか、スピード領域の違いだろうか?

自分の現在の体重は48kgで、軽い部類である。

スピードは最高で60㎞/h程度であるが、ブレーキを使うのは40㎞/h台以下の場合が殆どである。

しかし、ガチ競技者の場合は下りで最高速が100㎞/hを超える事もあるし、平坦のアベレージでも50㎞/hは普通である。

そのようなガチ競技者の視点で語られれば、テクトロではダメというのは嘘ではないのだろう。

 

一ついえる確かな事はシューがシマノは最低条件である。それもシューのゴムだけを変えられる105用以上のシューである。

その条件でもいくつか種類があるのだが、自分のお勧めは2世代前のアルテグラBR-6700用のシューセットである。ゴムは現行のR55C4の1世代前のR55C3だが、ドライでの性能はどちらも同等といわれている。新しいR55C4はウェットでの耐摩耗性を改良した物であり、通勤通学で使用するならR55C4の方が良いが、雨は避ける趣味オンリーであればR55C3でも問題はない。旧製品である為か現行の105用より値段が安く、それにもかかわらず台座の船と呼ばれる部品の作りが105用よりは豪華な物となっている。

このシューセットのおかげで自分はテクトロR540でも不満を感じずにいられたともいえる。