先日修理を始めたレトロラジカセ AIWA CS-J30
巻き取りリールのローラー台を駆動するゴムローラーがスリップして再生が正常に行われなかった。
取り合えず、ローラー台の外周とゴムローラーをアルコールを含んだウェットティッシュで掃除。
本来はゴム部品にアルコールの様な溶剤を使うのは宜しくない。
上の様なカセットデッキ専用のクリーニング液があって、赤い液と青い液のセットになっている。 赤い液は金属部のクリーニング用でアルコールを含んでいるが、ゴム部品には青い方の液を使用する。青い方はアルコールを含んでいないのだ。
青い方の液でクリーニングしたかったのだが、以前部屋を片付けたときに、何処かにしまったらしく見つからない。
ウェットティシュならアルコール濃度もそんなには高くないだろうという事で、仕方なく使った。
マジックリンを水で薄めて使った方が良かったかもしれない。
前の記事のブックマークで「MEKを使えばいいのでは」とコメントを戴いたが、一時的には効果があっても、溶剤が揮発してしまうと、かえってゴムが干からびてしまう恐れがあるため、自分は使用したくない。
クリーニング後再び組んでテストしてみると、再生が可能だった。しかし、そのままテープを回し続けると、後半の部分で、やはりテープは回らなくなってしまい、あわてて再生ボタンを解除した。
テープの最初の部分では、巻き取りリールの方は径が小さく、送り出しリールの方が径が大きい。逆に終わりに近づくと巻き取りの方は径が大きく、送り出しの方が径が小さくなる。
自転車のギアに例えれば、前半はギアが軽い状態で、後半は重くなる状態である。
それゆえテープが終わりに近づくと巻き取りリールの駆動に必要なトルクが大きくなってしまい回らなくなってしまうのだろう。
というわけで、クリーニング以外の対策が必要だ。
最初考えたのは、ゴムローラーをプラスチックの芯から取り外し、芯の部分にテープを巻いて太らせ再びゴムローラーを嵌めるという手である。
ところがローラーのプラの部分には両側にフランジが張り出していて簡単にゴムが外れそうにない。ゴムがガチガチに硬くなっているので、無理に外すとバラバラにちぎれてしまいそうだ。
次に考えたのは、巻き取りリールのローラー台の周囲にテープを貼って若干径を太らせる作戦だ。
上手く貼れるか心配だったが、一応綺麗にテープを巻き付ける事に成功した。
最初、テープの継ぎ目で重なっていたのだが、テストすると継ぎ目で回転が止まるので、重なり合わないよう修正した。
ローラー台の下の方にギアが付いているが、これは早送り用のギアで、再生時には使用されない。再生時もギアで回してくれれば、このようなトラブルは起きないのだが、完全な機械仕掛けのメカでは仕方がないのだろう。
これで直ってくれれば楽なのだが……
ラジカセ一応直ったぽいのだが…… pic.twitter.com/f1vs1Rw0cR
— mfigure (@mfigure_jp) 2016年12月27日
おお、大成功!
と昔エアチェックした山下達郎のテープは最後まで聞くことができた。JASRACに睨まれるので音は無しだ。
ところが、別のテープを試すと、やはり最後の方で止まってしまう。
ダメじゃんorz
というわけで、修理は続行である。残念。