この冬もインフルエンザが流行しつつあるようだ。
インフルエンザ対策として、うがいや手洗いとともに、よく挙げられるのが部屋の湿度管理だ。
空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。
有効な対策法として、加湿器を利用しているご家庭も多いだろう。
だがその加湿器が原因で、死亡する例がある事をご存知だろうか?
体によかれと思って加湿器に薬品や調味料を入れて死亡したり、重症に陥る例も起きている。2011年、韓国では妊婦4人が加湿器に殺菌剤を投入したことにより、肺損傷で死亡。
上記の例は、加湿器の中に薬品を投入するという、普通はありえない極端な例であるが、死亡まで至らなくても、不潔な水を使ったり、掃除を怠ったりした為に、肺炎になるという例は多数報告されているらしい。
特に問題となっているのは、安価な中国製の「超音波式」加湿器を使用した場合だ。
「超音波式」加湿器は、水を超音波振動で細かい霧にして、ファンで空中に放出する仕組みになっている。
小型で消費電力が低いというメリットがあるが、タンク内の水をそのまま全て空中に放出する為、水に含まれるミネラルや雑菌も一緒に放出されてしまうデメリットがある。
水にカルシウムや塩分が含まれていると、黒い家具などが、うっすらと埃が被ったようになってしまうのだ。
埃だけならまだいいが、人体に有害な細菌(レジオネラ菌とか)やカビなども飛んでくるのでは堪った物ではない。
中国とは違い、我が国の水道水はずっと安全な物だろうが、加湿器のタンクの掃除をさぼって、ぬめりのある水垢などが溜まっている様な事はないだろうか?
比較的安価で安全なのはスチーム式の加湿器である。
水を電熱で一度煮沸しているから、細菌が繁殖する心配が低く、空中に放出されるのも蒸気だからだ。ただし、電熱を使うので消費電力は高めである。
気化式は空気清浄機に組み合わされている例が多い。
こちらは、水を含ませて蒸発させるフィルターが、古くなると抗菌防カビ加工の効力がなくなって不潔になる。定期的なメンテナンスが肝要だ。
その他、ハイブリッド式もあるが、高価になり、定期的なメンテナンスが欠かせないのは気化式と変わらない。
どの方式も一長一短だが、手軽で安全*1なのはスチーム式だ。自分もこの方式の加湿器を使用している。
*1:ヒーターの過熱で火災になる欠陥品もあったが、健康面で安全という意味である。