U-NEXT31日間無料トライアルのエントリ4回目は、ロン・ハワード監督作「ラッシュ/プライドと友情」
ロン・ハワードはトム・ハンクスも出演した「アポロ13」の監督でもある。高い評価を得た「アポロ13」同様、本作も実話をベースとした伝記映画で、期待が持てる。
昨日の「フォレスト・ガンプ」ではあまり楽しめなかったが、口直しに良さそうだ。
2013年アメリカ・ドイツ・イギリス合作映画。1970年代のフォーミュラ・ワン、F1グランプリレースを舞台とした伝記映画である。
主人公のジェームス・ハント、そのライバルであるニキ・ラウダはF1レースファンであれば知らない者はいない名ドライバーであり、本作のクライマックスである1976年シーズンのチャンピオン争いは伝説といっていい熾烈なものだった。
自分はそのころ中学生だった。F1全戦のテレビ中継はまだない時代*1だったが、親父が定期購読していた車雑誌で興味を持ち、ジャッキー・スチュワート、エマーソン・フィッティパルディらと共に二人は憧れのヒーローであった。
あらすじ
女たらしで天才的な走りのイギリス人レーサーのジェームス・ハント。メカに強く頭脳的な走りのオーストリア人レーサーのニキ・ラウダ。F1の下位レースであるF3で初めて出会った二人は、度々レースで競い合い、やがてF1にステップアップしていく。
チームを渡り歩いて先にF1で頭角を現したのは、名門チーム・フェラーリのドライバーとなったラウダの方だった。
ハントはF3時代から継続していた、友人の貴族ヘスケス卿のチームでF1にステップアップしたが、一流の車とはいえなかった。'75年末、資金難でヘスケスのシートさえ失ったハントだったが、幸運にも1st.ドライバーが突然抜けてしまった強豪チーム・マクラーレンのシートを射止める。
同等の車・チームを得て、1976年シーズン、二人のライバルはF1王座を目指してしのぎを削る。先にリードしたのはラウダだったが、第10戦、雨のドイツ・ニュルブルクリンクサーキットで悲劇が起きる。
そして、チャンピオン争いは最終戦にもつれ込む。場所はF1初開催の日本、富士スピードウェイ。豪雨となったレースでチャンピオンになるのは誰か?
見所・感想
レースシーンはコレクター等から集めた当時の実車を用いたもので、マニアには垂涎ものである。接触、スピンなど危険なシーンもCGを極力用いないで撮影されたそうで、迫力がある。
二人の名ドライバーを務める俳優は実在の人物によく似ており、リアリティが高い。ラウダのチームメイトのクレイ・レガツォーニまで雰囲気そっくりでニヤニヤしてしまう。
有名なレースの展開や結果は雑誌で一部知っていたが、裏側の人間模様まで知るべくもない。話を面白くする為に脚色があるにせよ、実在の人物をモデルにしたドラマはワクワクする。
自分がジェームス・ハントの名を知ったのはマクラーレンのドライバーになってから後だったので、ヘスケス時代の彼と、ヘスケス卿との交流は非常に興味深かった。
ラウダを襲ったアクシデントは、非常に有名で、死線をさまようほどの重傷を負い、回復までの苦労も想像するに余りあるほどなのだが、あらためてドラマにして見せられると、分かっていることなのに胸が締め付けられ、若干涙ぐんでしまった。
作り話でしかないフォレスト・ガンプでは全く感動できなかった自分でも、実話の説得力には感動せざるを得ない。
全体的に、リアリティを損なうような安っぽさは微塵も無く、さすがロン・ハワードとうならされる名作だ。
F1レースファンでなくとも感動間違いなしだと思う。
いわゆる大ヒットではなかったが、是非ともお勧めしたい作品だ。
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*1:TBSがごくたまにスポットで放送していたような。