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スネップ仙人が毒吐くよ

50代ひきこもりの独白記


F-1のデザイン、速さの秘密と誤解 その1

最近はすっかり足を洗ってしまったが、自分はかつて人並み程度のF-1オタクだった。

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セナ・プロ、マンセル3強時代が全盛期で、AUTO SPORTやF1グランプリ特集を毎号買い込んでいた。当時はインターネットは普及しておらず、TV中継と雑誌が主な情報源だった。

昨今のドライバーよりも、マシンの性能差で勝敗がほとんど決まるレースに面白味を感じられず、興味を失って長いが、それでもある程度の情報はネットサーフィンで得ていた。

 

先日あるブログで、F-1のデザインと空力に関する文章を読んだが、誤解が多いマズイ説明だと感じた。

www.milkmemo.com

F-1だけを取り上げた記事ではないし、本人もF-1の説明で突っ込まれて、あるコメントでは「クズ」発言まで飛び出して大いに傷ついたらしく、次の記事では逆切れともとれる文章で反論しているが、間違いは間違いである。

どうしてブコメはあれるかな〜♪ - Milkのメモ帳

逆切れしている相手を更に追い込むのは、大人げないとも思うが、こちらもブックマークコメントの短い文章で全てを語れたわけでもなく、もやもやが晴れない。

 

個人攻撃をしたいのではないが、取りあえずどこがおかしいのか、指摘する。

 確かに、PUの能力が高いほうが圧倒的に有利です。しかしながら、車体(シャシー)が正常に設計されなければ、ダウンフォース(車体を地面に押さえ付ける力)が発生せずに、タイヤが空回りして進まないのです。

ダウンフォースという言葉の意味を正しく理解していない。

この場合はトラクション(駆動力)を使うのが適切である。なぜなら、空力によって発生するダウンフォースは、当然ながら高速で走っている時しか発生しない。スタート時や低速コーナーでは、空力によって発生する力よりも相対的に、サスペンションの設定や重量配分、パワーユニットの出力特性*1など、他の要素も大きく、どれも重要である。

「エンジンだけ強くても、前に進みませんよ」

といいたい気持ちは分かるが、知らない人に間違った知識を教えるようではマズイ。

「車体が正常に設計されなければ、トラクション(駆動力)が 掛からず、タイヤが空転して進まない」と単純に書けばいいのだ。

 

実は、発進時の力強さ(トルク)は、他のモータースポーツに比べ非常に非力なのです。ダカール・ラリーなんて競技は、砂漠を走りますから、どれだけ力強く発進出来るかが鍵です。

これも、トルクではなく、トラクションの方が表現としてはあっているかもしれない。

F-1は規定で4輪駆動が認められていないので、4輪駆動車が多いラリー車に比べて不利といえないこともない。また滑る路面のラリー車だから、トルクまたはトラクションが強くなくては走れないといっているのかもしれない。

しかしながら、駆動力は地面という相手があって成立する話なので、摩擦力の高いアスファルト路面とグリップの高いゴムの粘着力を利用できるF-1のトラクションが低いという事にはならない。

トルクはエンジンの回転力を示す数値であり、ラリー車も競技によって細かいクラス分けがあって、エンジンの大きさ、車体の大きさや形状もさまざまである。トルクは一般的に大型のエンジンの方が大きいが、ターボエンジンは自然吸気エンジンより大きい。

単純に排気量の比較であれば、F-1は小さめといえるが、ターボに電気モーターも組み合わせている現状のPUが低トルクとはいえない。トラクションを指しているのだとしても、上記の通り理屈に合わず、何を言いたいのか訳の分からない文章になっている。

 

F1が最高速なのは、トップスピードにのった時です。発進時は、モーターバイクの方が早いんですよ?(笑)

発進加速がバイクの方が速いというのは本当の話。けれど、発進加速はギア比、駆動方式、車重等で変わってくるので、それがトルクをいいたいのかどうか分からないが全然関係ない話。単にF-1は加速競争ではないので、バイクほど追及していないだけの話。

逆に2輪のバイクは、4輪と比較するとコーナリングの速度はウサギと亀に匹敵するほど遅く話にならない訳で、カーブで頑張れないかわり、短い直線を出来るだけ速い速度で立ち上がる為に加速重視のセッティングをし、同じ2輪同士で戦っているのだ。

「最高速なのは、トップスピードに」至っては最早何をいってるのか?

トップスピード=最高速なのではw

 

なんとなくわかるけど。F-1は加速は大したことないが、最高速が凄いっていいたいのかな?

でも、F-1と2輪のGP1の最高速って殆ど同じなんだけど。しかも、ギア比の変更でどちらもある程度自由に最高速は変更可能なんだよね。

具体的には300km/h台前半で、400km/hは越えられない筈。市販のスーパースポーツカーではブガッティ・ヴェイロン等400km/hを超える最高速を標榜するモデルが複数存在する。

 ※最高速は300km/h台前半だと思っていたが、超高速サーキットで知られるイタリア・モンツァでは今年ウィリアムズのマッサが357.6km/hを記録した。

【スピードトラップ】最速は引退のマッサ/F1イタリアGP予選-TopNews

2輪の方は、今年イタリア・ムジェロのGPでドカティのドビチオーゾが353.6km/hを記録。

MotoGP 2016 イタリアGP 決勝結果 ロレンソ僅差の勝利 [第6戦] - MotoGP Reports by St.Bernard

去年のムジェロの予選では361km/h!のオンボード映像が残る。

www.youtube.com

ライダーはやはり、ドカティのドビチオーゾのようだ。

というわけで、皆が思っているほどF-1と2輪GPマシンの最高速に違いはない。

 

ここまででも、既にメチャクチャ、かわいそうなくらいで、もうやめようかとも思う。しかし、彼は自動車の魅力がデザイン性にあると語っているので、F-1の独特のスタイリング=空力に言及するのが本筋である。

 

とはいえ、すっかり話が長くなってしまった。続きは次回にゆずる。

F-1のデザイン、速さの秘密と誤解 その2 - スネップ仙人が毒吐くよ

*1:素人には驚くべきことだが、実はエンジンの特性によっても駆動力は変化する。例えばモーターのように滑らかな回転をする物よりも、単気筒エンジンのように回転に波がある方が、地面を蹴る力は強いと言われている。かつて2輪のGP500ではホンダの同爆エンジンが圧倒的強さを誇った時代があった。他のメーカーが4気筒のシリンダーを等間隔で爆発させていたのに対し、2気筒ずつ同時爆発させたのだ。すると回転に波が起き駆動力が高まったので、結果的に加速が良くなり無敵となったのだ。