スネップ仙人が毒吐くよ

60代独身じじぃの独白記


イベント騒音、旧車なんかF-15に比べたら大した事は無い

前回のエントリでは旧車(クラシックカー)の騒音について触れた。

snep1000.hatenablog.com

 

ウルサイ物は消えて当然と、批判的な意見で炎上する事も覚悟したが、そういう厳しい意見はあまり見られず、ホッとしている。

前回のエントリを書きながら、思い出した事があった。

当地福井市で今月初めに行われたイベントについてである。

ihoku.jp

 

2016年10月1日、隣県石川県小松基地から飛来したF-15J戦闘機の編隊が市街中心部を低空でパスし、その轟音は旧車のエンジン音の比ではない。

だから、旧車がエンジンをふかすのには理由があるといったが、正直いうと「その程度の音で文句いうなよ」という気持ちなのだ。

 

おまけに、轟音が街中を支配したのはイベント当日のみならず、リハーサルとして前日にもF-15は飛来した。

わが家は飛行コースの近辺に位置し、2日にわたって、わずかな時間ではあったが轟音に包まれた。

自分が記憶する限り、このような形でF-15が福井市内に飛来するのは2013年が最初で、今年は4回目となる恒例行事である。

 

※以下の記事で、上記の記憶の正しさが確認された。

www.fukuishimbun.co.jp

自衛隊活動に理解を深めてもらおうと、県内経済団体などでつくる実行委員会が主催

とあるが、市民としてそんなイベントをやって欲しいと要望したことはない。我々庶民が知らないところで、勝手に決められ、いつの間にか恒例行事と化してしまった。

うがった見方であるが、今年防衛大臣に就任したわが県出身の稲田朋美先生の力添えもあったのか?

 

2013年に初飛来した時、自分は市中心部の幸橋付近で待機、F-15の編隊は足羽川の川上、東方面から右へロールしながら中心大通りの フェニックス通りへ北に向かって突入。高度はキャノピー越しにパイロットの姿が確認できるほど低く、100メートルもなかったのではないか。

その後F-15はターンして再び我々の頭上に舞い戻ってきて、手を振る観客に向けて数回左右に翼を振るサービス振りだった。

自分は、MiG25・29とSu24・27とF-14・15とF/A-18を区別出来る程度のぬるいミリオタだから、こういう至近でF-15を観察できる機会を得た事は喜びだったし、周囲の観客の様子も概ね好評だった。

だが、興奮から覚め冷静になってみれば、この市街地で何かの間違いがあってF-15が墜落でもすれば、現場は多数の死傷者を出す地獄となる事は必至である。そんな事は想像もしたくないし、絶対にあってはならない事だ。

 

市街地で戦闘機が墜落事故なんて、そんな確率、天文学的に低い数字だと、このイベントを企画した人達は一笑に付すに違いない。

だが、その数値はゼロなのか?本当に全くありえない事なのか?レーダーや管制設備の整った空港で行われるイベントでさえ、世界では度々悲劇が起きている。自分はぬるいミリオタだから、悲劇の現場を撮影したYou-Tubeを度々観ている。

航空自衛隊の優秀なパイロットと整備士、製造した三菱重工に120%の信頼があるからこそ企画しうるイベントだろう。誠に立派な事だ。

もし、F-15が空から降ってきたら、運命の逆宝くじに当たったと思いながら喜んであの世に逝こうではないか。

 

と、けしからん妄想をしてみたが、我々はまだイベントのわずかな時間に戦闘機の轟音に接するだけだからマシな方だ。

飛来したF-15Jの本拠地、小松基地周辺住民の気持ちは如何程か?
福井の市街地上空を通過したF-15はさほどの速度でなく、轟音といってもフルパワーのそれではないだろう。比較的穏やかで、旧車のエンジンよりは煩いが、我慢できないほどの騒音でもない。だが基地ともなれば、スクランブル発進で、アフターバーナーを点火しフルパワーでF-15は飛び立っていく。自分はその時の音を聞いた事がまだない。

 

似た体験としては、二十数年前、住居の建築工事の手伝いで、神奈川県大和市に行った事がある。厚木基地のすぐ近くで、艦上攻撃機のA-6イントルーダーが真正面から頭上を通過するような場所だった。イントルーダーは現行のスーパーホーネットより小ぶりの機体で、エンジンも小さい。だが、イントルーダーのエンジンは、現在主流のターボファンエンジンではなく、古い形式のターボジェットエンジンだ。そのせいで、強烈な高周波音を伴ったギュワーーーーンというノイズを響かせて通過していく。

現在主流のターボファンエンジンは、吸入口付近のコンプレッサー・タービンの径が大きく、一部の空気が燃焼室をバイパスして、圧縮空気のまま噴出する形式のジェットエンジンだ。高音高圧のターボジェットの周囲を低温の空気の流れで取り囲む形になるので、騒音が抑えられ比較的低音が強めのマイルドな音質になる傾向がある。

イントルーダーは訓練でもしているのか、1時間に何度も往復している。我々は一日仕事だが、これは住民は堪ったものではないなという感想だった。

 

また今から10年ほど前、自分は川崎に住んでいたのだが、厚木基地へ向かう軍用機を遠く見る事が多かった。たまに頭上を通過する事があり、多くは連絡機だったが、ホーネットの事もあった。ある時、いつものホーネットと違う鋭いエンジン音を聞き、上空を見上げるとシルエットはいつものホーネットだった。だが、よく観察するとエンジンの空気取り入れ口の形状が角張っていて、新型のスーパーホーネットであると認識した。スーパーホーネットはうるさい、それを実感した瞬間だった。

これら、騒々しい軍用機に比べたら羽田を飛び立つ民間機などは、遙かに静かな物だ。だがこれも、ジェットエンジンというより、羽が沢山付いたプロペラを小型のジェットで回しているというのが近い、大バイパス比のターボファンエンジンへの転換という、近年のテクノロジーがもたらしたものである。かつての花形旅客機だったDC8やB727はターボジェットエンジンであり、イントルーダー並に恐ろしい高周波音をまき散らしていたに違いない。

 

今の騒音がほとんどない静かな旅客機が当たり前だと思っている若い人達は、成田や他の空港であった反対運動が理解できないかもしれない。同様に、民間機は見たことがあっても軍用機を見たことがなければ基地反対運動も理解できないだろう。

逆にかつてのウルサイ航空機のイメージが残っている人には、テクノロジーの進化で静かになったと言っても、受け入れるのは難しいことだろう。スーパーホーネットのように新型の方が逆にウルサイという事もなくはない。

 

すっかり話が脱線してしまったが、クラシックカーでうるさいくらいは、まだ平和的で取るに足らない問題ですよって話だ。

町おこしイベントが、自衛隊パレードまで行っちゃうと、ちと、きな臭いという感想。

 

タミヤ 1/32 エアークラフトシリーズ No.07 航空自衛隊 F-15J イーグル プラモデル 60307

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