スネップ仙人が毒吐くよ

60代独身じじぃの独白記


わざとじゃないんだけど、旧車は走らせたらダメらしい

自分は引きこもりで、めったに車を運転することもないんだけど、50代のおっさんだから、運転しなくても憧れなんだよね。買えない新車のレビューを毎日見ていたり、子供の頃から大好きだったスーパーカーのサイトを見たり、時間の無駄と思ってもやめられないのよね。

そんなんで、はてなブックマークをチェックしていて気になったのが以下のエントリ。

"クラシックカーイベントが残念だった件 - 散るろぐ"

cild.hatenablog.com

 

自動車嫌いの多いはてなだし、人気炎上ブロガーのいう事だから、今は少ないけど、何だかホッテントリになりそうな気もするんだけど……。

 

最初は、あー、車が古いから、エンジン音もうるさいんだろうな、と思ったんですが、よく見ると、わざと空吹かししてるんですよ。 なんかそれで、一気にイメージ悪くなりましたね。

クラシックカーイベントが残念だった件 - 散るろぐ

 

誤解ですよ、誤解。

わざとじゃなく、本当に「車が古いから」空ぶかししてるんですよ。

今の車は、電子式の燃料噴射でエンジンにガソリンを送っているから、アクセル踏まなくてもエンストしないし、朝だってスイッチ押すだけでエンジン一発で起動するし、アイドリングストップなんて仕掛けが付いてても、絶対にエンジン掛かりますけどね、古い車はそうじゃないんです。

旧車のエンジンにガソリンを送っているのは、キャブレターという機械式の装置で、調整が物凄く微妙なんですよ。

電子式の燃料噴射だと、アイドリングの時と高速で走っている時、それぞれの状態に合わせて最適のガソリンと空気の量をコンピューターが計算して自動的に調整してくれますけど、全機械式のキャブレターにはそんな便利な仕組みはないわけです。

大体の旧車は、エンジンがいっぱい回っている時の状態に合わせて燃料の量を調整してあるので、低速で走るときはガソリンが多過ぎになってしまうんです。

そうなると、プラグってガソリンに火花で火を点ける部品があるのですが、それがガソリンでビショビショに濡れてしまって、火花が飛ばなくなってしまうわけです。

そうなれば結果は明らかで、エンストになってしまうわけで。

キャブレターの旧車でも年式が新しくなれば、少しづつ低速用の調整も出来るような仕組みが付いてますけど、本当に古い車は単純なので。

だから、エンストしない為には空ぶかしは必須なんですよ。

まあ、70年代以降ならふかさなくても平気ですけど、60年代以前の車はそんな感じなので。

特に、クラシックカーイベントで人気のスポーツカーなんかは、高速で走る方にエンジンも調整されているので、空ぶかしするなって言われても絶対に無理です。

 

この車はプリンス・スカイライン GT-Bって車で、クラシックカーイベントで人気の有名な車ですけど、おそらく車に興味のない若い人には、ただの古いボロくさい4ドアセダンにしか見えないと思うんですよね。

こんな普通のスタイルのセダンですけど、これでもスポーツカーでありレーシングカーでもあったわけで、ほぼこのままのスタイルで、鈴鹿サーキットのレースに出てポルシェの地を這うようなスタイルのレーシングカーと抜きつ抜かれつのレースを戦っていたりするわけです。当時というか今も結構あるんですけど、トラックに載せて運ばずに、サーキットへナンバー付きで自走して、そのままレースって車は結構あって、その代表的な車が、一見ただのセダンに見えるスカイライン GT-Bだったのです。

F-1なんかTVで見ていれば、走ってなくてもエンジンふかしてるでしょ。あれも結局ふかしてないと調子悪くなってしまうので、スタイルは普通のセダンでも、中身はレーシングカーって車は、クラシックカーイベントで呼ばれる人気の車には多いので、仕方ないんですよ。

 

まあ、言いたいことは分かりますよ。興味ない人にはウルサイだけだって。でも、本物ですからね。

ガワだけ同じで、エンジンは現代の扱いやすくて静かで高性能な物に載せ替えている車も存在するので、やろうと思えばそういう車集めてやる事も、不可能ではないです。

それでいいんですかね、偽物コピー車イベントで?

動かない車を飾っている博物館も勿論各地にありますよ。それで満足する人も多いでしょうね。

だけど、ウルサイかもしれないけど、当時の本物の車がエンジン掛かって自走して、自分の住んでる街にやってくるって、凄くないですか?イベントの企画者も、さびれた街に人を一杯呼ぼうとして考えたんでしょ。偽物のウルサクないコピー車イベントで果たして人を呼べたでしょうか?

そっちの方が良いという人が多いっていうなら、降参ですね。イベント企画者も、自分らのような自動車ファンも、老害でさっさと死ねって話かもしれませんね。

 

自分らが子供の頃は、車のエンジン掛けるのも大変だったんですよ。冬はボンネットに毛布掛けたり、エンジンのアイドリングが安定するまで10分ぐらい暖気したり。大人になっても自分は中型のバイクを買いましたけど、やっぱりキャブレターで空冷だったりするんで、エンジンの始動には気を使いました。そういう体験を経ているので。上のブログの筆者は30代だそうですけど、15年、20年経っちゃうと分かんないものなんですかね?

今は車、ボタン一つですぐ発進できますものね。

そのうち自動運転が当たり前というか義務化されて、自分で運転も出来なくなって、なんて未来を想像すると、元スーパーカー少年世代としては、悲しくなるばかりでありますorz

 

思い出の国産旧車完全カタログ (NEKO MOOK)

思い出の国産旧車完全カタログ (NEKO MOOK)

 

 

まあ、必要もないのに現代の車で真似して空ぶかしする連中は、いただけませんけどね。