スネップ仙人が毒吐くよ

60代独身じじぃの独白記


片腕マシンガール 【B級スプラッターの大傑作】

Huluの2週間無料トライアルの利用による、映画鑑賞レビューの連載。

第6回目はグラビアアイドルの八代みなせ主演「片腕マシンガール」

 八代みなせ - Wikipedia

片腕マシンガール【初回限定生産 】 [DVD2枚組 ]

 

先ず最初に断っておくが、これはB級スプラッター映画である。

真面目な映画と思わず、ふざけたノリの娯楽だけを目的にしたファンタジーとして観られる観客だけを対象にした作品だ。

普通の真面目に作った映画を観る感覚で、「チープな出来」「ストーリーが陳腐」「虐めがひどい」「倫理不在の殺人映画」という勘違い評価をする人は絶対に観ない方が良いだろう。

なお、真面目ではないといったが、B級スプラッターとしては極めて真面目に作られているので、その手のファンには超お勧めだと思う。

また、DVDソフトなどは極めて高い値段でしか出回っていないので、Huluで観られて良かった。

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2008年の日米合作映画。合作だが出演者は全員日本人で、製作は日活、出資がアメリカという形で、実質日本映画と考えてよいだろう。

監督・脚本は井口昇。

上映時間1時間37分

 

あらすじ

元忍者の末裔であるヤクザの息子に、たった一人の肉親である弟を殺された女子高生アミ(八代みなせ)。彼女は、弟が残したノートの書き込みで、弟をいじめた末に殺した不良グループのメンバーを知り、復讐を誓う。だが、ヤクザの屋敷に乗り込むものの、捉えられ片腕を失う。命からがら脱走し逃げ込んだ先は、同じく連中に息子を殺された自動車修理工の夫婦だった…。

 

見所・感想

自分は最初から最後まで爆笑しながら楽しく観られた。

名作映画も良いが、たまにはこういうお馬鹿映画を気持ちを切り替えて観るとストレス解消になる。

最初に書いたように、ストーリーはあってないようなものなので、そこを気にせず見せられたものを素直に受け取って観れば、これほど楽しめる物はない。

 

黒澤映画で有名なポンプによって噴出する血しぶきシーンが、随所で見られ出血量が半端ない。出血大サービスとはまさにこの映画だ。

マシンガンで穴だらけになる敵の肉体は、全くリアル感がなく作り物まる分かりだが、そこがまた面白く大笑いである。

顔を包丁などで串刺しにするシーンなどは、素人特撮の真横から撮影する手法そのものだったり、これはこうして撮ったんだななどと、撮影の裏側などを想像しながら観るのがまた楽しい。B級映画の楽しみは、そういう部分にあるのだ。

切られた5本の指を寿司にして食べる板前のシーンは、指が全くリアルでなく、シリコンゴムで複製した指のまんまで、絶対わざとやっている。

噴出した血が、カメラのレンズに付着するが、全く気にせず撮っているのも、絶対わざとだ。井口監督にはそれがエンターテインメントなのである。

 

と、ここまで散々馬鹿にしてきたが、ヒロインの八代みなせは超マジに演技している。彼女までがふざけてしまうと、周りのお馬鹿ぶりとメリハリがなくなってしまうので、これまた絶妙のバランスである。お馬鹿映画と分かっていても、ヒロイン頑張れと感情移入してしまうのだ。

後半彼女とペアで活躍する、元レディースで 息子を殺された自動車修理工の女の演技もなかなか良かった。彼らの全力演技がお馬鹿演出を際立てるのである。

 

頭のネジの緩んだB級ファンにお勧めの大傑作と断言する。

  

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