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スネップ仙人が毒吐くよ

50代ひきこもりの独白記


マイノリティ・リポート 【殺人予知の矛盾に翻弄される正義の者達】

U-NEXT31日間無料トライアルの連載エントリ6回目は、「マイノリティ・リポート」

昨日の「ミッション:インポッシブル」と同じトム・クルーズ主演作だ。

 

これまた、有名な作品なので観ている人は多いかもしれない。

自分は普段あまり映画を観ない人なので、メジャーだろうがなんだろうが、未見の作品だらけである。

本当は劇場でリアルタイムで観たいが、学生の頃から貧乏暮らしがずっと続いているので仕方がない。こういう機会に少しでも、一般の映画ファンとの溝を埋めたいところだ。

マイノリティ・リポート (字幕版)

2002年公開のアメリカ映画。監督はスティーヴン・スピルバーグ。

「ブレード・ランナー」の原作で知られるフィリップ・K・ディックの短編SF小説「少数報告」を映画化した物である。 

マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)

マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

あらすじ

西暦2054年、ワシントンDC。政府はプリコグと呼ばれる3人の予知能力者たちで構成された殺人予知システムを導入、それを運用する犯罪予防局の活躍によって殺人発生率は0%になった。

その後、システムの全国導入に対する国民投票が行われる事になり、システムの完全性を調査するため、司法省の調査官ダニー・ウイットワーが派遣される。

しかし、ある日犯罪予防局のチーフ、ジョン・アンダートン(トム・クルーズ)自身がシステムに「殺人を犯す」と予告され、調査官のウイットワーが指揮する元同僚らに追われる身となってしまう。そこには、ある陰謀が仕組まれていた。

 

見所・感想

犯罪予防局や主人公のマンションなどのセットや、都市部の情景などは、さすがドリームワークスという感じで、よく作りこまれている。

一転、都市部を離れて田舎に行くと、未来らしくない普通の情景となるが、これは現代でも昔の人が予想したように、何もかもハイテクなカプセル住宅やウェットスーツのような服装に変わっていないのだから、別に不思議なことではないだろう。

風景は殆ど変わっていなくても、現代人は昔の人が想像できないような、超高性能なパソコンやスマホを使いこなしているのだから。

未来世界というと、ブレード・ランナーのように何もかも未来的に変っていないと違和感を感じる人がいるようだが、これはこれで表現として全然アリである。

 

近未来の、網膜スキャンによる個人識別によって管理される社会が、面白くも恐ろしい。街中や店舗にある看板が、網膜スキャンで表示される内容が変わり、名前をささやいてくるのだ。食品のパッケージに描かれたイラストさえも動画広告となっていて、全てがウザ過ぎる具合。Googleなどが、個人情報を利用して広告の内容を変えていることは、既に行われている現実である。

そして、管理社会の究極のシステムが予知能力者による殺人予知システムなのである。もちろん、この作品のように少数の能力者をシステムの一部として常に縛り付ける事は人権無視であり倫理的に許されるものではない。だが現実には、ビッグデータを利用して犯罪防止に役立てようという動きは、既に始まっている。

また、未来はいくつかの可能性を含んでいるのに、一つの可能性のみを予知することで、殺人者として身を拘束する事にも倫理的問題がある。

そのような未来社会が来ないように警告を促すのが、原作者の意図であろう。

 

そして、この作品で重要な点は、警察組織に関わる主要な登場人物が、金や私欲の為でなく、正義の為にだけ行動する事だ。だから、最初主人公のジョンを追っていた司法省の調査官も、彼が何者かにハメられたと感じると、ただ正義の為に真犯人を追うのである。最後に悪役である事が露呈する者さえ、犯罪撲滅が最終目的であり、ただ目的の為に罪を犯す悲劇の人物なのだ。

アメリカの刑事物というと、とかく汚職や不正にまみれた作品が多いが、警官は正義の人であって欲しいという願望がこめられているように感じた。

 

自分は最初から最後まで大変面白く楽しめた。

細かく突っ込めば、矛盾点やスピルバーグ特有の漫画チックな演出が気になったりもするが、メッセージ性が強いので全然許せてしまうし、些細な事で評価を下げるのはもったいないと思う。

マイノリティ・リポート (字幕版)

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