昨日、東芝製の高級エアコンを取り付けたばかりだというのに、悲しいニュースが入ってきた。
高級エアコンがクリスマスプレゼント?! - スネップ仙人が毒吐くよ
やはり、昨日も触れたように会社の経営が相当苦しくなっているらしい。
このまま、家電事業から完全撤退してしまうのか?
我が家というか、いま住んでいる実家の家電は、かつてはテレビ以外殆どが東芝製だった。
近所の懇意にしている電器屋が東芝の系列店だったからだ。
昨日交換したエアコン、前のはナショナル(現在のパナソニック)だったが、それ以前その場所についていた物は東芝の「木かげ」だった。そして、それが我が家初のエアコンだったのだ。
今度のエアコンはもしかすると、我が家最後の東芝家電になってしまうのだろうか?
我が家初の電気洗濯機も恐らくは東芝製だ。
物心付く時に既にそれはあった。脱水機というものが未だ存在しない時期に買ったと思われるそれには、2本のゴムローラーが付いていて、濡れた衣類をその間に挟んで、長いクランクハンドルをぐるぐる回して絞る仕組みだった。
他の家では既に脱水機付きの二層式洗濯機が普及していて、恥ずかしく感じる代物だった。
それがある日、二層式を飛び越えてやって来たのは、全自動「東芝ニュー銀河」だった。我が家初の全自動洗濯機も東芝だったのだ。
洗濯プログラムの進行が電子式ではなく、時計のようなゼンマイで動作する機械式タイマーだった。
これは最近買った物。それでも10年くらい前だろうか?簡易型の乾燥機能が付いている。
うちに現在ある物で一番古そうな東芝製家電。
東京の大学に進学した時、下宿に持っていった赤外線電気こたつ。昔のこたつは、布団の中に顔を突っ込むと、真っ赤な太陽、じゃなく赤く輝く赤外線ランプが光っていた。
冬がコタツなら、夏世話になったのが、東芝ウィンドファン。
窓に取り付けてあるが、エアコンではなく、吸排気の切り替えが可能な、高機能な窓用換気扇の一種だ。1970年代にはこういう器具が流行った。各社、同様な物を出していたが、一番力を入れていたのは東芝だったと思う。
昼間の冷房としては役に立たないものの、夕方以降は家の中より外の空気の方が早く冷えてくるので、それを家の中に取り込んで涼しくする仕組みだ。ヒートアイランド現象で夜になっても気温の下がらない都会では無理だが、田舎では今でもこの方法は有効だ。
吸排気が同時に出来る高級機種もあった。家の中の暑い空気を上側に付いたファンで排気して、下側のファンで外の涼しくなった空気を吸入するのだ。
いま付いているこの機種は同時吸排気が出来ない小型機だが、その前には同時吸排気が可能な高級機がついていた。
家を増改築した時に、窓の縦の高さが短くなってしまって、大形の高級機が付けられなくなり、仕方なく小型の物に替えたのだ。
大型機も別の窓で使っていたが、いつしか無くなってコロナの窓用エアコンに替わっていた。
1970年代中期から末期にかけて流行ったのがBCLブーム。
BCLラジオという、強力な受信性能を誇る特殊なラジオで、海外発信のラジオ放送を受信する趣味が当時の小中学生に流行した。
当時のBCLラジオ御三家はナショナル・クーガ2800、ソニー・スカイセンサー5900、東芝・トライエックス2000だった。
自分はナショナル・クーガが欲しかったが、やはり電器屋の都合で東芝・トライエックス2000になった。
受信性能ではクーガ2800、スカイセンサー5900に遠く及ばなかったが、デザインのかっこよさではトライエックス2000が一番だと思っていた。
こんなクールなデザインのラジオは二度と現れないだろう。
首都圏で1人暮らしをしていた時にパンを焼いたのも東芝製オーブントースター。
温度調節の付いた、ちょとだけ高級機。焼き加減は自由自在で、ピザトーストを焼くのに都合がよかった。
まだまだ新しいので、食費に余裕が出来たら使ってやりたい。
うちのオーディオセットにCDプレーヤとして追加したのが、東芝製DVDプレーヤ SD-1500。新品でも1万円台だったローコストプレーヤだが、CD再生については下手なオーディオ専用CDプレーヤをしのぐ、驚きの音質である。
故障が多い事でも有名でジャンク品が500円~ごろごろしているが、コンデンサーの交換という簡単な修理で直るので、コストパフォーマンスは最高だ。
隠れた名機といっていいだろう。
その他、写真はないが、我が家の初のラジカセも東芝アクタスだったし、冷蔵庫も初代と二代目は東芝だった。どれも、思い出深い物ばかりだ。
我が国では、西のパナソニック、東の東芝の二大巨頭が長く家電業界を引っ張ってきた。パナソニックは親しみやすいが、どこか田舎臭く、対して東芝は都会的でクールな印象で、自分は大好きだった。
だが、近所の東芝系列の電器屋もいつしかなくなり、うちにはパナソニック製家電が徐々に増えてきた。
二大巨頭の一方が無くなろうとしているのに、社会はいたって平静であるように見える。このこと自体が、斜陽化激しく、もう誰も皆家電業界に期待していない事の表れなんだろう。
なんとも寂しい事だ。